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「ベリアンさん、この自称猫、やっぱり怪しいですよ！」
「“自称”ではなく、僕は猫です！」
ロノさんが黒猫ちゃんの首根っこを捕まえて、部屋に戻ってきた。
起き上がった私と視線が合い、ロノさんは笑顔で駆け寄ってくる。
「主様！ 無事に目が覚めたんですね！」
『えぇ、ロノさん。ここまで運んでいただき、ありがとうございました』
「お礼なんていいんですよ、主様！」
ロノさんは私とベリアンさんにはニコニコと対応してくれるけれど、黒猫ちゃんには厳しい態度を崩さない。
黒猫ちゃんとの
その黒猫ちゃんはロノさんに掴まれたまま、どこかしょんぼりとしている。
ロノさんの後ろから、ルカス先生が困ったように微笑んで、ゆっくりとやってきた。
「猫ちゃん、自分がどこからやってきたかも分からない、記憶喪失ってやつみたいだよ」
「空から落ちてきた……みたいですし、ここに来る前のことは何も覚えていないんです」
黒猫ちゃん以外の四人で顔を見合わせる。
限りなく黒に近い怪しさだ。
私は黒猫ちゃんの目をじっと見つめて、問いかけてみた。
『黒猫ちゃん、嘘はおっしゃっていませんか？』
「そんなっ！ 僕は嘘なんてつきませんよ！」
『嘘をついている人も、きっとそうおっしゃいますよね……。ですが、私はあなたを信じようと思います』
「本当ですか！？ ありがとうございます！」
「⸺っ主様！」
信じる根拠なんてないのに信じると伝えた私に、黒猫ちゃんの表情が段々と明るくなった反面、ベリアンさんは納得がいかない様子だ。
ベリアンさんには、何も考えなしで答えたわけではないですよ、と意味を込めて頷いてみたけれど、言葉にしなければ伝わらない。
『きっと、あなたが天使の味方で私たちの敵だというのなら、ベリアンさんを始めとした執事の皆さんが黙っていないと思います』
「そうですね、主様。主様を傷付けるのであれば、私たちはこの猫さんを許さないでしょうね」
『えぇ。ですので、私は安心して黒猫ちゃんを信じてみようと思えるんです。最初から私たちを騙していないことが一番ですが、騙されていたとしても対処してくださる方がいらっしゃると感じるからこそ、私は怪しい黒猫ちゃんを信じられるんですよ』
「結局、信じてはいないんかい！」
ロノさんのツッコミに、そうではないのだと首を横に振る。
『私個人としては信じていますが、ロノさんたちの主としての立場から考えると、怪しい黒猫ちゃんをすぐに信じるなんてしてはいけないことですよね』
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悠莉(プロフ) - 雪女さん» 雪女さん、コメントありがとうございます！のんびり更新ですがよろしくお願いします…！ (5月3日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂 (5月3日 9時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2024年3月14日 22時
