ヒステリー症候群【実況者】 (ページ2)

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すてきな音／fuji ページ2

俺は昔から音楽が大好きだった。
とくに、バンドが大好きで
仲間とよく路上ライブなんかしたり。
このままバンドデビューできちゃうんじゃないかとか、
そんなバカみたいな話までしていた。

でも、ある些細なことがきっかけで
皆んなバンドを辞めていった。
それでも俺は
一人でもバンドがやりたかった。
一人で路上ライブもした。
でも、

こんなに沢山の人が歩いている街中で、
誰一人として足を止めてはくれない。

それでも俺は、ずっと一人で
がむしゃらに音楽を奏でていた。
友達にはいいかげんやめろとまで言われたが。
それでも諦めたくなかった。

フ「～♪」
相変わらず、この街で俺の音に
足を止めてくれる人はいない。

フ「ふぅ…」
「お上手ですね」
フ「…え？」

「おもわず足を止めてしまいました。
まだ聞きたかったのですが…
もうおわっちゃいました？」

初めて足をとめてくれた。
もっと聞きたいと言ってくれた。

フ「いえ、まだまだこれからです。」

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キ「へぇ～で、その女の人とは
もう会ってないの？」
「ふふっ」
フ「だーかーら、その女の人が
Aちゃんなの‼︎」
キ「えぇっ‼︎まじ？」
「ほんとですよ。」
キ「ほへぇ～…あ、ヒラが呼んでる。」

フ「…A」
「ん？」

フ「あのとき、足をとめてくれてありがとう」
「フジ」

「すてきな音をありがとう。」