不仲じゃなくて気まずいだけ 2 (ページ40)

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湊 side

タクシーで帰っても良かったんだけど

家まで送るって言われてそれならそんなに遠くないし

少しばかりお酒で火照った身体を冷ますためにも

寒空の下二人並んで歩き始める

… もう少し一緒に居たいなって思ってたから嬉しい

特に何か言葉をかわすわけでもなく

ゆっくり歩いていれば隣から

あ！と思い出したように声を上げる蓮くん

「 … びっくりした、どうしたの？」

横を向いて彼を見上げると綺麗な横顔は

何か考え込んでいる様子で

またぶつぶつと何か独り言を零している

… ひとつの事に集中するとすぐ周りが見えなくなるんだから

「れーんくん？」

下から強引に覗き込めば今度は蓮くんが

びっくりした …と呟いて一歩後退りする

「 … ねぇ、今から連れて行きたいところあるんだけど」

そう言って徐にスマホを取り出すと少し距離を取って

どこかに電話をかけ始める

… こういう突拍子がない所もずーっと変わらないね

そういうところも全部含めて好きになったんだなと

今度は私が物思いに耽っていると

気付けば電話を終えた蓮くんが私の顔の前で手を振っていた

「大丈夫？酔い回ってきちゃった？」

「そんなにお酒に弱くありません〜」

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