トド松×ジムトレーナー ページ5
.
「も、もう無理です…！」
床に倒れこむ私を見て「Aちゃんもう駄目なの？」と愛らしい笑顔で声をかけるトド松さん。
「キツすぎますって…」
「しょうがないなぁー、じゃあ少し休憩ね」
腹筋、背筋、腕立て伏せにスクワットと次々出される指示にジム初心者の私はついていくのが精一杯。
それでも頑張れるのは、コーチのトド松さんに少しでも振り向いて欲しいから。
たまたま入会したジムで担当についたトド松さんに恋をしたのは自然な成り行きで。
可愛い顔して登山やランで鍛えてるらしく引き締まった体にドキドキし、私が挫けそうな時には親身に励ましてくれて。気づいた時には好きになっていた。
キツいからって諦めてしまえば、トド松さんとの繋がりが途絶えてしまう。
それだけは避けたい私は今日も必死で体を動かす。
「今日のトレーニングはここまで」
「あ、ありがとうございます…」
やっと終わった…と息も絶え絶えの私に「はい」と１枚の紙を渡すトド松さん。
「これは…？」
「達成書。最初の頃に目標の数値決めたでしょ？Aちゃんが頑張ったから達成したんだよ」
「それじゃあもう…」
「うん、卒業だね」
「おめでとう！」と笑う彼に対し、私の顔は暗くなる。
「卒業なんて、嫌です…」
「え？どうして？もうキツいトレーニングしなくてすむんだよ？」
「…そういう意味じゃなくて！」
思わず声が大きくなり、しまったと思うけれど、もう気持ちは止められなくて目からは涙が溢れ出る。
「トド松さんが、好きなんです…！もう会えなくなるなんて、私そんなの嫌です…っ」
今まで思っていた気持ちを伝えると、トド松さんはいつものように優しく頭を撫でてくれた。
「…Aちゃん、僕バイバイねなんて言ってないよ？」
「え？」
「…ジムは卒業だけど、僕から卒業なんてさせないから」
「それってどういう…」
「こーいうこと」
両手で頬を包まれて、優しくキスを落とされた。
「僕も、頑張り屋さんのAちゃんが好きだよ」
「じ、じゃあ…」
「僕の彼女になって？」
可愛く首を傾げる彼に「もちろんです！」と伝えれば、満足そうに微笑んだ。
「僕の方から言いたかったのに、先に言っちゃうなんてさ」
「すみません…」
「まぁ、可愛いAちゃんの告白聞けて嬉しかったけどね」
するとトド松さんのスマホからはさっきの私の告白が音声で流れ出す。
「け、消してくださいぃ！」
「やーだ♪」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rabi - 普段の生活にお差し支えないようできれば…お気持ち私、すごく分かります〜〜！大変お手数ではありますが掲載時の体裁につきまして、又私のお題箱にご連絡頂けますと幸いです。 素敵な作品を描かせて頂ける事、本当に幸せ思います。ありがとうございます！ (2017年11月30日 21時) (
レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - 原作を頂きましたMさんのお名前と、原作を漫画にさせて頂いた旨だけを文字で掲載する、もしくはサイトURLも掲載許可頂けるのであればそちらも載せさせて頂ければと存じます。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - また、改めて頂きましたメッセージ、とてもとても光栄で…是非ワンシーンを描かせて頂けましたら光栄です！ お伺いしたかった件なのですが、ツイッターにあげる際にMさんの原作をどのようにお伝えしようかという点です。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - Mさん、ご返信ありがとうございました！私こそ感想欄をお借りしてしまって申し訳ありません。 Mさんの作品、拝読させて頂きました。おそ松海の家がすごく好きです！スパダリ兄さん…！長兄おばけ屋敷も大好きです。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続き書いてほしいです! (2017年11月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M | 作成日時：2016年10月31日 5時
