一松×医者 (▽) ページ19
▽シリアス▽
僕は 写真 が嫌いだ
『せーんせっ』
カシャッ
『あはっ、先生変な顔〜』
…何勝手に撮ってんの
しかもそれインスタントだし。
『一松先生知らないの?今これがブームなんだよ?』
お前も流行りとかのるんだな。
『あったり前じゃん!ピチピチのJKですから』
……ガキじゃん。
『ちょっ、先生どこ見てんの!!』
まな板にしては上出来な方だな。
『……ひど』
…悪かった、ごめん。怒るなよ。
って、え……泣いて…?
『…隙あり!』
カシャッ
『先生の変顔もーらい♪』
…騙したな。
『どう?名演技でしょ』
罰としてそのカメラ没収。
『え、ちょ、これはダメ!!』
カメラぐらい別に…
てか、何でそんなに写真撮ってんの。
しかも僕ばっかり。
『だって、残しておきたいじゃん』
…何言ってんの。
『ていうか、今日の薬、苦い?』
苦くないと薬じゃないでしょ。
『A苦いの嫌なんだけどなぁ…』
Aの好きなもの思いながら飲めば大丈夫だから。
『え〜好きなもの〜?』
ほら、早く。頑張って。
『……ん、飲んだ』
…偉いじゃん。
『一松先生のこと考えながら飲んだから、飲めた』
っは?!何言ってんのお前…
『ねぇ、一松先生』
…なに
『この病気治ったら…私とデートしてくれる?』
……そんな冗談言えるくらいなら、きっと治るよ。
『あはは、そっかな〜?』
…大丈夫だって。
僕がついてるから。
「あの日のことは、全部覚えているのに……っ」
何で答えてくれないの
何でまた笑ってくれないの
「…これは、お前から見た世界だったのか」
カルテを書く僕。
ふいに振り向いた僕。
じゃんけんに負けてとらされた猫のポーズ。
変顔の僕。
Aが亡くなる前日に
どうしても、とせがまれて撮った
最初で最後のツーショット
「……A、ごめん…ごめん……」
助けてやれなくて ごめん。
分かってやれなくて ごめん。
Aの気持ちを、冗談ですませてしまって
ごめん。
「……好きだった…のに」
好きだよ、A。
だから、また笑ってよ。
僕を見つめて、あの可愛い笑顔を見せてよ。
「……笑ってくれよ…」
見つめる先には
紙切れに写る可愛い顔した彼女の写真。
だから僕は
写真 が嫌いだ。
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rabi - 普段の生活にお差し支えないようできれば…お気持ち私、すごく分かります〜〜!大変お手数ではありますが掲載時の体裁につきまして、又私のお題箱にご連絡頂けますと幸いです。 素敵な作品を描かせて頂ける事、本当に幸せ思います。ありがとうございます! (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - 原作を頂きましたMさんのお名前と、原作を漫画にさせて頂いた旨だけを文字で掲載する、もしくはサイトURLも掲載許可頂けるのであればそちらも載せさせて頂ければと存じます。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - また、改めて頂きましたメッセージ、とてもとても光栄で…是非ワンシーンを描かせて頂けましたら光栄です! お伺いしたかった件なのですが、ツイッターにあげる際にMさんの原作をどのようにお伝えしようかという点です。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - Mさん、ご返信ありがとうございました!私こそ感想欄をお借りしてしまって申し訳ありません。 Mさんの作品、拝読させて頂きました。おそ松海の家がすごく好きです!スパダリ兄さん…!長兄おばけ屋敷も大好きです。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続き書いてほしいです! (2017年11月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2016年10月31日 5時