長兄×お化け屋敷 2 ページ15
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「だっははは!!Aおもしれぇ〜!」
「おそ松!Aを驚かせるんじゃない!」
「だってAからかうの超おもしれーんだもん」
「Aが可哀想だろ!……大丈夫か?A」
「こ…わかっ、た……」
おそ松さんに急に耳元で叫ばれたのと、叫んだ内容の両方に私の心はもう折れそう。
なんで、この人は会った時から毎回毎回こうやって私にちょっかい出してくるんだ。キッとおそ松さんを睨めばへらへら笑いながら「ごめんってAー」と軽く謝れた。
「…A、立てるか?」とカラ松さんに差し出された手を力なく握って立ち上がれば、ぽすっと彼の胸元に引き寄せられて心臓がドキッと跳ねる。「怖かっただろう。もう大丈夫だぞ」と片手で私を抱き締めながら優しく頭を撫でるカラ松さんに私の顔はかぁっと熱くなった。
「そもそも、兄貴の持ち場は隣の部屋だろう。戻れ」
「だって暇だしー?」
「だからと言ってこっちに来るんじゃない」
「えぇ〜お兄ちゃん一人寂しい〜!」
駄々をこねるおそ松さんに呆れてそれを見ていれば「…それに」と急におそ松さんが私の手首をつかみ「俺もかわいーAと一緒にいたいしー」とぐいっと引き寄せられ、勢いで私は彼に抱きつく形になってしまった。
「兄ちゃん知ってんだからな。カラ松が頼みこんでAと同じ持ち場になったの」
「な、なんでそれを…」
「お前だけA独り占めとかさー、ずるくない?お兄ちゃん置いてさー」
「別に…俺の勝手だろ」
なぜか私を挟んで飛び散る火花に「あの…」と困っていたら「なぁA。本物のユーレイ出ても、俺がやっつけてやんよ?」とおそ松さんは私の腰を引き寄せながらずいっと近づいて顎を持ち上げる。
いつもの茶化した雰囲気とは別人のおそ松さんに、不覚にもかっこいいと思った私は赤い顔で目を泳がせる。
「俺の持ち場に来いよ、A」
「えっ」
「ここにいたらユーレイよりも怖ーいヒトに襲われちゃうかもよ?」
至近距離で低く囁くおそ松さんに私の体中の熱がぐんっと上がり、その様子を見ていたカラ松さんは無言で私の手首をつかむとまた自分の元へ引き戻した。
「俺の側にいた方が、もっと安心だぞ?」
「か、カラ松さ…」
「俺の方が、あいつよりAを何者よりも守ってみせる」
二人のお化けに詰め寄られて私は恐怖とは違うドキドキに心臓が持ちそうになかった。
「「A、どのお化けを選ぶ?」」
「え、選べません…!」
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rabi - 普段の生活にお差し支えないようできれば…お気持ち私、すごく分かります〜〜!大変お手数ではありますが掲載時の体裁につきまして、又私のお題箱にご連絡頂けますと幸いです。 素敵な作品を描かせて頂ける事、本当に幸せ思います。ありがとうございます! (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - 原作を頂きましたMさんのお名前と、原作を漫画にさせて頂いた旨だけを文字で掲載する、もしくはサイトURLも掲載許可頂けるのであればそちらも載せさせて頂ければと存じます。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - また、改めて頂きましたメッセージ、とてもとても光栄で…是非ワンシーンを描かせて頂けましたら光栄です! お伺いしたかった件なのですが、ツイッターにあげる際にMさんの原作をどのようにお伝えしようかという点です。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - Mさん、ご返信ありがとうございました!私こそ感想欄をお借りしてしまって申し訳ありません。 Mさんの作品、拝読させて頂きました。おそ松海の家がすごく好きです!スパダリ兄さん…!長兄おばけ屋敷も大好きです。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続き書いてほしいです! (2017年11月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2016年10月31日 5時