一松×警察官 ページ2
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「おはよーございます!」と一松さんの警官ポーズを真似ながら挨拶する。
「朝からうるさ…」
「今日も眠そうですね!」
「こーいう顔なの」
通学路の途中にある赤塚交番。毎朝警官の一松さんに挨拶するのが私の日課。
「今日もお仕事頑張ってくださーい!」
「…Aもね」
「えっ」
初めて、名前呼ばれた…
嬉しくて、胸がドキドキとうるさいくらいに駆け回る。
「とっとと行きな。遅刻するだろ」
「わ、わ」
ぼーっと立ってた私の髪を一松さんはわしゃわしゃ撫でて学校へと急かした。
「い、行ってきまーす!」
「ん」
撫でられた箇所が熱をもったように熱い。
「……好きなんだけどなぁ」
所詮私は高校生。
相手は大人の警察官。
「…相手にされるわけないよね」
片想いでもいい。
毎日会えるなら、それだけで十分。
気持ちを振りきるように自転車を力強くこいだ。
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「寝坊した…」
起きた時間はお昼前。
こうも遅くなると急ぐ気にも慣れず、学校は午後から行こうとパンをかじりながらTVをつける。
連日ニュースになる通り魔事件、とうとうこの辺りにも出没したらしい。
ニュースを聞き流しながら身支度を整えて、遅めの登校。
(そういえば、昨日の帰り一松さんに会えなかったなぁ)
あの事件で応援にでも行ったのかな、と考えながら交番に近づくと、青ざめた顔で自転車にまたがる一松さんが出てきた。
「い、ち松さん…?」
声をかければ凄く驚いた表情で、自転車が倒れるのも気にせず急いで私に駆け寄ってきた。
「……あんた…っどこ行ってたんだよ!!」
「え?」
「昨日も学校帰り見えないし、今朝だって、いつもの時間に来ないし…」
「どれだけ心配したと思ってんだよ!!」と一松さんが大声で私を怒鳴ると、今度は力強く抱き締められた。
「今日は、寝坊しちゃって…」
「…」
「…あの、ごめんなさい…」
無言の彼に戸惑っていると「良かった…」とかすれ声がした。
「…通り魔にでも、あったんじゃないかと思った」
「もしかして探しに行こうと…?」
「当たり前だろ」
「…どうして?」
「…あんたは、僕の大事な人だから」
顔をあげると、いつもの眠そうな顔じゃなく真っ赤に染まった余裕なさげな表情の一松さん。
「…Aが高校卒業したら、」
「?」
「僕の彼女になって」
「どんな奴からも守ってやるから」と赤くなった顔で目を反らす一松さんに、今度は私から思いっきり抱きついた。
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rabi - 普段の生活にお差し支えないようできれば…お気持ち私、すごく分かります〜〜!大変お手数ではありますが掲載時の体裁につきまして、又私のお題箱にご連絡頂けますと幸いです。 素敵な作品を描かせて頂ける事、本当に幸せ思います。ありがとうございます! (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - 原作を頂きましたMさんのお名前と、原作を漫画にさせて頂いた旨だけを文字で掲載する、もしくはサイトURLも掲載許可頂けるのであればそちらも載せさせて頂ければと存じます。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - また、改めて頂きましたメッセージ、とてもとても光栄で…是非ワンシーンを描かせて頂けましたら光栄です! お伺いしたかった件なのですが、ツイッターにあげる際にMさんの原作をどのようにお伝えしようかという点です。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
rabi - Mさん、ご返信ありがとうございました!私こそ感想欄をお借りしてしまって申し訳ありません。 Mさんの作品、拝読させて頂きました。おそ松海の家がすごく好きです!スパダリ兄さん…!長兄おばけ屋敷も大好きです。 (2017年11月30日 21時) (レス) id: b77ea76641 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続き書いてほしいです! (2017年11月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2016年10月31日 5時