1【you】 ページ3
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あの後、スンチョルは、私から英語の教科書を借りていった。
私たちのクラスの方が授業の進みが早いということを把握している上で、英語堪能なジスと比べて、書き込みをしている私の教科書を借りていくところは、流石スンチョル。
そういう頭の良さ、回転の速さをこの幼馴染たちは持っている。
昔から３人のゲームに弟たちが巻き込まれてたっけ。
「あー！！ヒョンたちずるい！！」
SC「ダメとは言ってなかっただろㅋㅋ」
「ヤ、言ったって無駄だよㅋㅋ」
JS「もう何回目だと思ってんのㅋㅋ」
「うわーやっぱヒョンたち狂ってるㅋㅋ」
それに付け加え、この幼馴染たちは、顔も良くて運動神経も良い。
つまり、当然のように女の子たちからも人気があった。
でも３人とも気にしてなさそうで、「４人でいるのが楽しい」と言って、女の子の気配なんて全く感じさせなかった。
高校に入ってすぐ、
JH「好きな人ができた」
と報告を受けるまでは。
この、ジョンハンの好きな人発言を聞いたときは、頭が真っ白になった。
先程ジスが言っていた通り、私は小さい頃から、ジョンハンに片想いをしている。
思い出せば、あの時のスンチョルは面白かったなあ。
ジスは、冷静にジョンハンの話を聞いてた気がする。
私はというと、固まったまま。
ちょっと照れたように話すジョンハンが見慣れなくて、
胸が痛くなって、
なんて言えばいいのか分からなくて、
でも、今まで通りでいられなくなるのは嫌で、
せめて、少しでも今のままでいたくて、
たった一言、
『応援してるね！』
としか言えなかった。
フリーズした頭ではそれが限界だった。
ただ、変わらず４人で一緒にいたい。
幼馴染でもいいから、ジョンハンと一緒にいたい。
そうやって、幼馴染でいることを選んだのは私。
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作者名：Akubi | 作成日時：2024年2月13日 3時
