プロローグ ページ1
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♪〜♪〜
授業の終わりのチャイムが鳴り、生徒が一斉に動き出す。
私は、教科書に書かれた叙情的な詩を見つめていた。
詩は自分の気持ちを表す手段の一つでもある。
自分の気持ちがこんな後世まで残っているなんて、詩人たちは考えていただろうか。
私は詩人じゃないから、この気持ちを一生言わずにしまっておくのだろう。
だから、一生...
「ヤー」
『...』
「ヤー」
『...』
「ヤー！！」
『ひえ！！？』
急に耳元で叫ばれ、反射的に声がした方へ顔を向けた。
隣にいたのは、目を見開いて下顎に少し力が入ったような顔のチェ・スンチョル。
私の幼馴染。の一人。
SC「ヤー、無視するならバラしてやろうか？おお？」
『えっ、無視してないよ！ダメダメ！』
顔の前で思い切り両手を振って、治安の悪いスンチョルを抑える。
優しそうな垂れ目の割に、俺様な時があったり意地悪を言うことがあって、その度にいつも狼狽えてしまう。
「それにしてもよくバレてないよねㅋㅋ」
『...たぶん、バレてないと思う...』
私たちの正面に座って、やり取りを見て笑っていたのは、ホン・ジス。
彼も幼馴染の一人。
JS「言ってみたらいいのに」
『な、何を、何て』
JS「好きって」
『〜〜〜！！』
スンチョルとは反対に、キュッと上がった口角で微笑んで見てくるジス。
正面と隣から見られて、目線が行き場をなくして下がってしまう。
『...言わないよ』
SCJS「...」
二人は、私の気持ちを昔から知っている数少ない人達。
言わば、秘密の共有者。
それを「バラす」とスンチョルは脅してくるのだ。
「エーイ、スンチョラ、また借りに来たのか〜ㅋㅋ」
SC「またとはなんだよㅋㅋ」
声を掛けてきたのは、ユン・ジョンハン。
唯一、秘密を知らない幼馴染。
SC「お前だって1年の時、Aに教科書借りに来てただろ！ㅋㅋ」
JH「ㅋㅋ」
JS「今は同じクラスだから借りれなくなったねㅋㅋ」
JH「アニャアニャ、今はソアがいるから」
少し自慢げに、嬉しそうに微笑むジョンハン。
そんな顔を見たら、言えなくなる。
絶対に、言わない。
だから一生、私は、ハニの幼馴染のままなんだろう。
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作者名：Akubi | 作成日時：2024年2月13日 3時
