42.言い出せない人 ページ45
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『はぁ...』
あれから私は、ジョンハンくんに中々言い出せず、もやもやしながらカトクのアイコンを見つめることが増えていた。
ジョンハンくんからは変わらずメッセージが来ていて、返事はしている。
でも、言い出そうとメッセージを考えるのに、時間がかなりかかってしまい、結局、言い出さずに送る。
これをかれこれ、一週間続けている。
『はぁ〜〜〜〜...』
Y「ちょっと、溜息多いんじゃない?」
『ユンジ先輩...私、』
この立場になって、やっと気づいたことがある。
「A〜、友達が連絡先聞きたいって言うんだけど教えてもいいかな?」
学生時代、友人伝いに連絡先を聞かれることや、紹介をされることがあった。
友人たちはこんなにも、もやもやした気持ちで間に入っててくれたのか...
ユンジ先輩なら理解してくれるかも、と縋るような思いで、話してみる。
Y「それでジョンハンさんに言えない?どういうこと?」
『いや...、疑惑も否定したのに、もしこれを機に本当に恋愛関係になったら...』
Y「...うん?」
いくら事務所が一度否定したとしても、私が間を取り持つようなことをして本当にそういう関係になってしまったら...
私がきっかけを作ってしまったら...
Y「待って、」
『...?』
ユンジ先輩の顔を見ると、キョトンとして不思議そうに私を見ている。
私も同じようにキョトンとしてしまった。
Y「恋愛関係になってほしくないから言い出せないってこと?」
『...え、あ、いや、噂があったばかりなのにっていう...』
Y「...ん〜、そんな感じには聞こえなかったけど?」
少し面白そうに見てくるユンジ先輩。
Y「なんで
『?』
Y「まあ、気持ちも分からなくもないわね」
先輩は、目を輝かせて私の肩を抱く。
Y「そうかー、でも意外ね!ジョンハンさんだなんて!」
『へ?』
Y「ファンになっちゃったんでしょ?推しってやつ?笑」
唇をきゅっと結んで、うんうん頷く先輩。
...あれ、なんだろう。
どう返事しようか迷っていると、
Y「なんとも思ってないただの友達や知り合いを紹介するなら、そんなにもやもやしないものね」
さっきまでとは少し違う笑顔を見せる先輩は、私の肩をポンポンと叩く。
私は、痛んだどこかを隠すように笑った。
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Akubi(プロフ) - やふこさん» お心遣いありがとうございます!(><)本日更新しますので、是非お楽しみくださいませ!! (2023年3月6日 15時) (レス) id: b400e762d8 (このIDを非表示/違反報告)
やふこ(プロフ) - Akubiさん» 続きはもちろん気になりますが、お忙しいのだろうし、暖かい日もあれば、また寒くなったり、お体に気をつけて、ご自身のペースで、無理のない程度に書いていただければと思います。いつまでも待ちますからー。 (2023年3月5日 18時) (レス) @page45 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Akubi(プロフ) - やふこさん» 初めまして!コメントありがとうございます!社長秘書を読んでくださっていたなんて...!再会できて嬉しいです^^笑 なのに更新が滞ってしまい申し訳ないです...ちゃんと続き書きますのでもう少々お待ちください♪ (2023年3月1日 17時) (レス) id: b400e762d8 (このIDを非表示/違反報告)
やふこ(プロフ) - はじめまして。めちゃくちゃ面白いです。ヒロインの描写がすごく可愛くて、好きな雰囲気だし、物語も読みやすくて大好きです。って、私が大好きで一気に読んでいた社長秘書の作者さんじゃないですか!!そりゃハマるわけだ…もう!どちらのお話も大好きです!!! (2023年3月1日 15時) (レス) @page44 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Akubi(プロフ) - ビーグル犬さん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえて嬉しいです!更新頑張ります!(^^) (2023年1月19日 8時) (レス) id: ab9f76a07e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Akubi | 作成日時:2023年1月17日 13時