初恋は叶わないなんて信じない【SVT・JH】

22.背中を押してくれた人【WZ】 ページ23

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楽屋でヒョンたちがAさんの話をしている中、俺はふと思い出した。
メンバーには誰にも言ってない。
あれは、一人の時だったから。





WZ「♪〜...♪〜♪〜...」





俺は、CMソングに新曲の"BOOMBOOM"を起用するか、アレンジするか、まったく違うものを作るか考えていた。
編曲まで終わり、今回のCM用にいくつかサンプリングを録り






「お忙しい中ありがとうございます。どうぞ」

WZ「いえ、こちらこそお願いします」





促されるままイスに座り、サンプルを出した。
早速聞いてもらう。





WZ「これは新曲で...」

「...おお〜、かっこいいですね」

WZ「ありがとうございます。ただ、化粧品のCMなので、次のは少しアレンジしてます」

「...」





BPMを少しスローにして、音を変えた。
様子を窺うように見ていると、ジョシュアヒョンやジョンハニヒョンのパートを聞いたAさんが微笑んだ気がした。





WZ「最後はこのCM用に作ったやつです」

「...いいですね」





3曲目はやはり反応が良く、決まりそうな雰囲気だ。
歌詞がないからこそ、CMのセリフや言葉が入りやすい。
企業側にはこっちがウケるだろうけど、少し欲を言えば、新曲がCMに起用されたらより嬉しい。
ただ、その分、企業の事情が変わる可能性も高い。
グループの音楽を任されている身としては、プレッシャーもある。
でも、強く推す勇気が持てなかった。





「3曲目、使いましょうか？どうですか？」

『...私は、2曲目がいいかと。』

WZ「え...」

「2曲目？」

『はい。この、女性を綺麗だと褒める歌詞は、化粧品のCMイメージと合っていると思います。もしくは、3パターンのＣＭを撮ったんですから、どれも起用してみては？すべて合いそうです。広報としても、彼らの音楽を起用できる方が宣伝効果があると考えています。』





ウジさんはいかがですか？とAさんが微笑んでくれたから、背中を押されて、やっと俺は曲の説明に熱を入れることができたんだと思う。





"とても綺麗な君と、また君を見つめる僕"






それが今の、このＣＭに繋がっている。





SG「あ、ウジヒョン！」

WZ「やめろ」




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