初恋は叶わないなんて信じない【SVT・JH】

38.勝手な人 ページ41

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『ハァ...』





会社に勤める社員として、やはり、見ないわけにはいかず、広報部のテレビで"それ"を視聴する。






Y「代表やっぱりかっこいいわね〜渋くて」

『...そうですか？』

Y「どう見てもかっこいいでしょ」






視聴していた"それ"とは、"我が社の代表取締役の特集"。
ベージュのジャケットとダークブラウンのパンツスーツをビシッと着こなす代表。
ルックスは芸能人にも負けないだろうことから、よくメディアには取り上げられている。






私には、あまり分からないけど。






Y「まぁ奥様もお綺麗だし、取り上げるわよね〜」






確かに。それはとても納得。






終始、柔らかく穏やかな話し方の代表。
しかし、笑顔のまま、爆弾は落とされた。






≪一代で築き上げた企業だと思うのですが、後継はどのようにお考えなのですか？≫

≪ええ、私に息子がいれば継がせることを考えたでしょうが、一人娘なので、彼女にその意思があれば任せたいと考えています。ただ、娘にはその気があまりないようで...苦笑≫

≪そうでしたか。では現時点ではまだ...≫

≪はい、なんとも(笑)もしくは、娘婿に任せるのも良いかと最近考えまして...≫

≪えっご息女様はご結婚されているのですか？≫

≪いえいえ！まだなんです。なので、今度見合いをさせてみようかと(笑)≫

≪そうなんですか！素敵なご縁があるといいですね〜≫






「「「「「...」」」」」

Y「...だそうですけど」

『...』






画面を見て固まる私。
ユンジ先輩をはじめ、一緒に特集を見ていた広報部のみんなが私を見た。






『...また勝手なことを...！』





Y「代表としては面白いし、かっこいいし、優しいけど、」







それが、私にはわからない。





だって、










Y「"父親"としては、どうなの？」











そう、父だから。









『勝手な人です』







穏やかで、優しくて、世話好きで、ちょっとわがままで、勝手な人。
言われていないお見合いに少し戸惑いながら、父に連絡しようとすると、





「あ、そういえば、SEVENTEENの子、熱愛出てましたね！」

「それ見たよ〜！」

Y「え、誰？」

「ジョンハンさんだったかな？」

『！』

Y「えっそうなの！？」





待ってくださいね、えっと...と目の前に出された画面には、ジョンハンさんと、綺麗な女性の画像が並んでいた。






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