初恋は叶わないなんて信じない【SVT・JH】

27.初恋の人【JH】 ページ29

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やっとA先輩に会えて、期待通りのはずなのに、緊張した。
でも、それを隠して思ったより喋れてる自分。
この時、お？やっぱり俳優できるかな？って思う余裕が欲しかったな。





『そうだったんだ、お疲れ様。次はうまくいくといいね！』

JH「はい、ありがとうございます」

『ジョンハン君なら、俳優でもモデルでもなんでも出来ちゃいそう(笑)』

JH「いや―、モデルは...(笑)」

『歌は？アイドルも手だよ(笑)』

JH「いやいやいや(笑)」






結局、アイドルになったわけだけど(笑)






JH「先輩は、将来何するんですか？」

『んー、美容関係に就くかなぁ...』

JH「ああ〜、先輩に何か勧められたら説得力あるかも(笑)」

『ほんとに？買ってくれる？(笑)』






図書室ということもあってか、抑えられた声量によって更に優しく感じる話し方に、柔らかい笑い方。
それから少し話したけど、雨の日の男の先輩のことは聞けなかった。
聞かなくてもなんとなく、どういう存在かは理解できる。
その時のもやもやした気持ちがなんだったのか、今ならはっきり分かる。
どこがどうとかいつとか分からないけど、憧れに似た気持ちが、そうだと思った。





俺は、いつの間にか先輩が好きだったんだ。






そして、この日を最後に、俺はオーディションに受かってプレディスに入り、先輩は卒業した。







JS「...！」

JH「...」

JS「ユン・ジョンハーン！」

JH「！ 何だって？」

JS「どうしたの？収録終わってからずっとボーっとしてるけど」






ハッとして、周りを見回すと、いつの間にか見慣れた宿舎で、メンバー達が部屋着に着替えていた。
え。俺ここまで無意識に帰ってきたの？






怖。





DK「ヒョ〜ン♪」

JH「ん？」

DK「ん？じゃないじゃ―ん♪またまた―♪」

HS「アイゴヤ〜！またとぼけちゃってこのヒョンは〜♪」

SG「ヒョンの話聞いてないじゃん♪」

SC「そうだよ、お前の初恋♪」

JH「あぁ...」






忘れてなかったか。





でも、こいつらのおかげかも。













JH「俺の初恋は、Aさんだよ。」












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