7.出会い【TH】 ページ7
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リハーサルが終わって、ふと、あの時のことを思い出した。
『この人、痴漢です』
俺たちが出会った時。
高校生の時、いつもと変わらず、ジミナと下校中に、
前に並んでた女の子がスカートを短くしてた。
バスに乗る時、スカートの中が見えそうになってたから、
慌ててスクールバッグで、見えないように隠したんだけど…
『この人、痴漢です』
振り返ると、綺麗な黒髪ボブの女子生徒。
それがAだった。
俺たちの後ろにいたAがそんな風に言うから、
前の女の子もびっくりしてて、怪訝そうに見られた。
俺は否定しようとバスから降りて、Aに向き合った。
TH『違うから!なにも触ってないし!』
『じゃあ盗撮ですか』
TH『いやいや、カメラなんか付いてないよ!』
JM『テヒョンアは、スカートの中が見えそうだったから…』
『見ようと?』
TH『違うって!』
『バッグを擦り付ける痴漢もいます』
飄々と、そして淡々と話すA。
向き合ったAは、幼いながらに綺麗な顔をしてた。
無表情が、より綺麗さを際立たせて、存在感を感じる。
TH『はあ…ほんとに違うって』
JM『君は、何年生?一年?』
『…はい。転入してきました。』
JM『あ!もしかして君がSMの!』
『あ、はい』
学校内で噂になってた一年の転入生。
大手事務所の練習生で、歌もダンスも上手くて、可愛いって聞いてた。
確かに可愛いけど、でも…
JM『僕たちも練習生なんだ。僕はパク・ジミン。よろしくね』
『…パク・Aです』
TH『…』
JM『テヒョンア?』
TH『キム・テヒョン。ねえ、笑ってみて』
何言ってんの?って顔をしてるジミナ。
言われてる本人も少し目をパチクリさせてるだけ。
だって!だってだって!
JM『あ!テヒョンアこのバスで行こ!練習遅れたらヒョン達に怒られるよ!』
TH『え、あ…!』
丁度やってきたバスに乗り込むジミナ。
急いで追いかけて、窓から外を見る。
まだポカーンとしてる彼女がいた。
TH『…笑ったら可愛いと思うんだけど?』
JM『え、何?』
TH『ううん!ジミナじゃない!』
無愛想な女の子。
うん、苦手な女の子に認定。
痴漢って言われたし。
その後も、ちょっとだけムカついたことを思い出しながら、
俺は、ヒョン達と夜遅くまで練習してた。
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作者名:Akubi | 作成日時:2022年6月30日 17時