初恋は叶わないなんて信じない2【SVT・JH】 (ページ6)

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52.自覚する人【JH】ページ6

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こうなることは分かってた。

こうなっても仕方がない。

仕方がないことだって分かってる。

こうなるように仕向けたようなもんだ。

それなのに、俺の頭はどれも今更な、"タラレバ"を繰り返す。

高校生の時、どうして美容に進みたいのか聞いていたら、

食事の時、後輩だと言わなければ、

もしくは、初恋の人だと打ち明けていれば、

ミアンさんからのお願いをすぐに断っていれば、

あの時、Aさんとちゃんと話をしていれば、

もっと、何か違っていたんじゃないだろうか。

『ふふふ、名前、聞いておいてもいい？』

『ジョンハンくん、また練習しにおいでね』

『綺麗な顔してるから、俳優さんになったらすごい人気になりそうっ』

『...ジョンハンさんも、飲みますか？』

『ジョンハンさん！』

『傘！貸してくれたの覚えてますかっ』

『すみません！ジョンハンさん！私がジョンハンさんの傘を無くしてしまって、』

いつも彼女は、優しく俺の話を聞いてくれてたのに。
いつもちゃんと返事をくれたのに。

『いえ、見苦しい姿を見せてすいません...っ』

歌い慣れてきた新曲のステージ練習をしながら、Aさんのことを思い出すと、目の前が滲んだ。

ただの傘がどうでもよくなくなったのも

再会してから、"先輩"として意識してなかったのも

彼女との時間が楽しくて飲み過ぎたのも

彼女から返事が来るのが待ち遠しかったのも

彼女に褒められて誰よりも嬉しかったのも

彼女を"一般人"として、距離を置こうとしたのも

お見合いを知ってショックだったのも

Aさんの隣に他の男の人が並んでるのを見たくなかったのも

だからわざと、ミアンさんに連絡先を教えるのを承諾したのも

無意識に、Aさんのカトクを開いちゃうのも

泣いてる顔を思い出すのが辛いのも

全部、全部...

혹시나 그 사람 날 찾고 있지 않을까(もしかしたらその人は僕を探しているんじゃないか)

나는 지금 널 찾고 있어요(僕は、今、君を探しています)

俺は、自分のパートで体が止まった。

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