初恋は叶わないなんて信じない2【SVT・JH】 (ページ9)

今日:20 hit、昨日:19 hit、合計:17,891 hit

55.好きな人ページ9

.

画面に映ったジョンハンくんの名前を見て、怪しいくらい挙動不審になってしまった。
もちろん、それを、隣にいたユンジ先輩はなんとも怪訝な顔をして見てきた。

幸いなことに、今日は、珍しく土曜日出勤をしていて、先輩と二人だけ。
そんな時にいつぶりかのジョンハンくんの電話。
緊張しながら出ると、会社に行くと言われた。
困惑したまま電話が終わってしまう。

『あ、ちょっと、下に行ってきますね！』

Ｙ「？うん」

とりあえず、受付の人はお休みでいないから、私がエントランスまで行かなければいけない。
要件が分からないし、今の私は少しネガティブに考えていた。
正面のエントランスから外に出て、ジョンハンくんを待つ。

わざわざ、会社まで来る用件...
仕事のことかな...
でも、わざわざ休みの日に...？
プライベートのことなら...

また浮かぶミアンさんとジョンハンくんの姿。

『...っ』

これだけで涙目になるなんて、私、いつの間に、

ＪＨ「Aさん」

久々に直接聞くジョンハンくんの声。
思考も体も止まって、声のする方へ顔を向けると、ブロンドのように明るい髪色になったジョンハンくんがいた。

ＪＨ「ハァ...フゥ―――...ッ」

荒く深呼吸を繰り返すジョンハンくん。

『走って、きたの...？！どこから、』

JH「...へへへ、そこにマネージャーの車がある」

ケロッと普通の呼吸に戻るジョンハンくんの後方、少し離れたところに黒い車が見えた。

『あ、良かった...笑』

JH「うん、流石に乗ってきたよ(笑)」

『そうだよねっあーホントびっくりした...』

久しぶりのジョンハンくんとの会話に、緊張する。
前みたいに顔を直視出来ない。

『よ、用件って何かな？えっと、会社が見ての通り休みで、仕事に関してなら...』

JH「うちのリーダーに"行ってこい"って言ってもらえたから」

『え？』

意図が読めず、パッとジョンハンくんの顔を見た。

ＪＨ「ふふ、やっとちゃんと顔見れた」

明るい日差しの中のジョンハンくんの柔らかい笑顔が、

ＪＨ「Aさんに会いたかった。

俺、Aさんのことが好きなんだ」

.