48.痛みが取れない人 ページ2
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連絡を取らなくなってから、あっという間に日が過ぎていった。
あの時からずっと気まずさが私の中に残っていた。
代表の娘であることは、学生のころから、人伝で知られていることが多かったし、自ら話して、人の見る目が変わるのが不安で、隠すことが多くなっていた。
もしかしたら、昔からジョンハンくんは知っていたかもしれないけど...
でもきっと、直接言われるのと、人から聞くのでは少し感じ方が違うだろう。
思えば、話すタイミングはあったのに。
ただ、
お見合いは、ジョンハンくんに知られたくなかった。
しかもこんなに前向きな記事にもされてしまって、
否定をしたくても、どこまで、誰までを内側として言っていいものなのか。
私には判断が難しい。
結果言いそびれて、ずっと悶々としながら、言ってなかった気まずさが残り、距離を取るようになってしまった。
今頃彼は、ミアンさんと仲良くなっているんだろうか。
...魚の小骨が喉に刺さったような、小さな痛みを、早く無くそうと無理に色んなものを飲み込もうとするけど、
中々取れず、気になり続けている。
≪...相手も連絡を待っているはず、あなたから連絡をしてみて！≫
朝から聞こえる占いも、今だけは信じたくなる。
それでも、時間の経った今では、今更じゃないかと悩んで、勇気の出ない私。
そんな私の耳に入る、彼らの新曲は、
綺麗な歌だった。
いつの間にか、ジョンハンくんの声を聴き分けることができるようになった。
少し前の私なら、"新曲聴いたよ！"と気軽に連絡できたはずなのに。
それが出来ないことが、こんなに寂しいなんて。
不意に、思い出されるジョンハンくんとミアンさんの笑顔。
私の中の、小さな痛みはまだ取れそうになかった。
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作者名：Akubi | 作成日時：2023年3月9日 11時
