Serendipity【TH】

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あれから3ヶ月。




≪今注目されているAさんの新曲が発売されました≫


≪ミュージックチャート1位にランクインし…≫






こうやって、取り上げてくれることはすごく嬉しい。

ベースがある曲だから制作は思ったより早く終わり、無事、発売と配信を迎えた。

MVは、以前アップした動画と、制作中の様子を合わせた。
それでも私の姿は映さない。

みんなが、良い！と言ってくれるのが活力になる。





≪パチパチパチパチ≫





最終チェックの日には、スタッフのみんなが拍手をしてくれて、私は急ピッチで作ってくれたみんなに拍手を送った。






「A！すごい！コメントいっぱい来てるよ！」






"待ってました！"


"まさかすぎて嬉しい！泣く！"


"それでも姿を映さない神秘さ…！！"


"毎日聴きます"






マネージャーのオンニが見せてきたのは、動画配信サイトのコメント欄だった。
怖くて今まで見れなかったけど、今までで一番多いコメント数らしい。





『嬉しいなぁ。スンギオッパもわざわざ電話くれたし』


「そこで、A」


『ん？』





急に真顔になるから、私は首を傾げた。





「そろそろ音楽番組に出てみない？」





………へ？





「今までオファーが無かったわけじゃない。でも、あなたの、歌だけを純粋に届けたいという気持ちを汲んで、ここまできた。けど、もっとあなた自身を知ってもらう事で、あなたの歌を更に好きになってくれる人がいると思うの。」


『でも、急に出演するなんて...』


「大丈夫。あなたが心配してることは気にしなくていい。あなたには魅力がいっぱいあるの！だから私達もあなたをスカウトした。もっとあなたは自分のことを話して。もっと自分に自信を持って。」






オンニの珍しく強い口調と、眼差しに、私は心が揺れた。






『オ、オンニ、一緒にいてくれる…？』


「ぷっ！ステージ上は無理だけどね！スタジオの端っこにはいるわ！笑」






笑いながら私の肩に手を置くオンニ。
よーし！なんて言いながら、腕まくりをして、部屋を出て行った。





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