Serendipity【TH】

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収録中、モニターに映るテヒョンさんが、急に遠くにいる人に感じた。

いや、元々近づいてた気がしてただけなのかな。

勝手に親しい気になって、好きになって、寂しくなって。

何してるんだろう。






≪♪〜♪〜♪〜≫


『ありがとうございました〜っ』







番組のエンディングが流れ、出演者みんなが各々声をかけ合いながら、ファンに手を振る。

私もお辞儀したり、手を振ってエンディングに参加していると、





ドンッ


『あっ』


TH「あぶな…っ」





すれ違ったグループの男性とぶつかってしまい、バランスを崩した私はテヒョンさんに支えられていた。





『テ、ヒョン、さん…』


TH「怪我ない…？」


『だ、大丈夫』


TH「ん、ヒールだから気をつけないとね」






テヒョンさんは私の姿勢を戻すと、口をきゅっと締めた笑顔になった。
よくやる笑顔。
すごく懐かしく感じる。






『あ、ありがとうございます…』


TH「…うん」






出来るだけ距離を作らなくちゃいけないと思って、一瞬忘れた敬語で話す。
ズキズキと胸が痛んでる気がする。
いつの間に、私はこんなにテヒョンさんが好きだったんだろう。
泣きそうになるのが自分で分かって、もう一度お辞儀をして下を向いたままテヒョンさんから離れる。

離れたところで収録が終わり、私は逃げるように控え室に戻った。





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