3【TH】 ページ4
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歩き慣れた事務所への道。
その途中で、公園を見つけた。
こんなところにあったっけ?
工事してた記憶はあるけど...。
一瞬、考えて、公園を突き抜けていく事を思いついた。
「たまにはね〜」
二組の親子が遊んでるのを見て、かわいいな〜なんて癒されながら、そこまで大きくない公園の出入り口に近づいた。
『♪〜〜♪〜〜、♪〜、♪〜』
「ん?」
聞こえてきたメロディは、よく知る歌だった。
すごく上手で綺麗な声。
周りを見渡すと、ベンチにキャップとマスクを付けた人。
もう一回周りを見渡しても、さっきの親子達か、その人しかいない。
この人だ。
ファンかもしれない。
それならまだいい。
サセンかもしれない...。
『♪〜〜♪〜〜、♪〜、♪〜』
「…」
自分のパートが聞こえた時、さっきまで浮かんでた心配をよそに、足が勝手に動いていた。
「あの〜…」
『はい...?』
優しい声の女性だった。
「その歌...」
『あ、すいません、うるさかったですか?音楽番組で聞いてからずっと忘れられなくて』
「ああ〜。ファン、ですか?」
『いえ、歌ってる方達のことは知らなくて...』
歌ってたのに、知らないと言われて、少し驚いてしまった。
自惚れていたわけではないけど、音楽番組を見てるし、知ってくれていると思った。
『ファンの方ですか?』
「あ、いや、ん〜〜、ん〜〜〜〜〜」
無意識に声をかけたもんだから、聞かれてなんて答えたらいいか、首を傾げた。
怪しまれる、絶対。
彼女も合わせて首を傾げる。
ふとしたその仕草が可愛かった。
じゃないじゃない!
今そうじゃない!
違うところに行く思考を戻そうとすると、
≪♪〜♪〜♪〜≫
『わ、スンギオッパだ〜!ごめんなさい私帰りますねっ!帰り道、気をつけて〜!』
突然鳴り出した携帯。
画面を見て、彼女は焦りながら立ち上がった。
高すぎず低すぎずの身長。
ちゃんとケアされていそうなロングストレートの髪。
ペコっとお辞儀をして走り去っていく。
何か言わなきゃ!
「またbutterfly歌ってね!!!」
そう言えば、会えそうな気がした。
「歌上手な子だったなあ。声も綺麗だし…」
≪♪〜♪〜♪〜≫
「うわっ」
震える携帯の画面には、"ジンヒョン"
急いで公園を出て事務所に向かった。
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Akubi(プロフ) - はろ。さん» はろ。様コメントありがとうございます!お待たせして申し訳ありません!よろしくお願い致します(^^) (2021年4月11日 16時) (レス) id: ab9f76a07e (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!すぐ読み終わっちゃいました!!!!!!待ってます更新! (2021年3月3日 1時) (レス) id: 599944be69 (このIDを非表示/違反報告)
MjlTuGeGb8heHTK(プロフ) - 桃 優 .さん» コメントありがとうございます!テテと同じお誕生日でしたので、お借りしてしまいました(笑)ぜひまた読んで頂ければ幸いです(^^) (2021年1月3日 22時) (レス) id: e21bb9a261 (このIDを非表示/違反報告)
MjlTuGeGb8heHTK(プロフ) - 美幸さん» あけましておめでとうございます(^^)ゆっくりの更新になってしまい申し訳ありません!まだまだよろしくお願い致します(^^) (2021年1月3日 22時) (レス) id: e21bb9a261 (このIDを非表示/違反報告)
桃 優 .(プロフ) - 凄く面白いです!Caratの私からしたらまさかシュア様が出てくるとは...という思いです。セブチも出してくれて嬉しいです!これからも無理しない程度に頑張ってください! (2021年1月2日 12時) (レス) id: 6006f1dbca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Akubi | 作成日時:2020年12月8日 0時