姉が結婚挨拶に日本の至宝を連れてきた【糸師冴】

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姉と冴さんがやって来た。


予想していた通り、親戚全員固まっている。

反応に血の繋がりを感じるな。


まぁそりゃあ、重度のシスコンの姉に婚約者が出来たと思ったら、まさかの婚約者が超有名人だもん。


「妹ちゃ〜ん。はいこれ、ホテルのお土産〜」


いかにも高そうな袋を渡される。

いつも通り、私の隣の席を確保した姉が抱きつくいてくる。

姉の指示で冴さんは姉の前の席に座る。



とりあえず、親戚の皆さんから婚約おめでとうみたいな雰囲気かでる。


だが、従姉はやはり違う。

目がハートになっている。


お前はもう一周回ってたくましいよ。


「うわぁ〜本物だ、すごーい」


従姉が冴さんの隣を確保し、腕にまとわりつかせて胸を押し当ててる。

冴さんは何コイツみたいな目をして見てる。

親戚だからか、舌打ちをするのを我慢していた。



それに対して姉は笑いを噛み殺している。


「んっ、ふふふ」

「なんで笑ってんの？」

「だって、冴ちゃんが……、冴ちゃんがいろいろ我慢してるのがふふふ……面白くて」


冴さんを助けてあげなよ。


従姉の様子を察して何を思ったのか優男が姉の隣に行く。

気持ち悪い。お姉ちゃんに近づくなよ。


「久しぶりだね。元気？」

「お久しぶりですね。従姉が、お世話になっています」

「そのことなんだけど……。実は浪費癖が酷くて……。僕としてはしかっりしているAにやり直したいなって」


は？

お前が浮気したくせに何言ってんの？

お姉ちゃん、現婚約者の前なんだけど。

そもそもこの状況で動かない親戚もどうなの？


「そろそろ、私に捨てられたことを自覚なさっては？」

「あっ……、でもっ」

「それに、復縁などを口に出したり、従妹が私の恋人や婚約者に近づいたりした場合は、慰謝料の上乗せが発生するのですが」

「えっあその……」


お金の話を出したらすぐに口ごもる。

たぶん、それだけではないけど。


さっきから、冴さんからすごい殺気が溢れ出ている。

私にも伝わるが、怖い。

それを感じたのか、従姉と優男はすぐに怖がって退散していった。


ごしゅーしょーさま。







親戚の集まりが終わった後に、優男のスペックを私に聞いて冴さんが、

「ふん、勝ったな」

とか言ってたのは決して聞いてないし、


姉が優男と従姉に慰謝料上乗せして払わせてたのとか知らない。

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