姉が結婚挨拶に日本の至宝を連れてきた【糸師冴】

2．結婚裏話 ページ4

「妹ちゃ〜ん。いらっしゃぁ〜い」


テレビなどでよく見る
一生に一度は泊まりたいと有名な高級ホテルの
スイートルームで姉から抱きつかれる。


今日、冴さんは日本でトレーニングしているので、
いないらしい。


普段、冴さんや姉は海外に住んでいるので、
パスポート更新などで日本に暫く滞在するために、
ホテルに泊まるらしいが、

高級ホテルのスイートルームクラスの
セキュリティでなければいけないらしい。


有名な人は大変だなぁと思いながら

姉が出してくれたココアを飲む。


「お姉ちゃん、今度親戚の集まり大丈夫そ？」

「だいじょ〜ぶ、だいじょ〜ぶ」


自分のことになると、ポンコツになる姉。

まぁ、姉が大丈夫ならいいのだろう。

何かあれば今度は私がいるし。



「ねぇ、プロポーズって冴選手がしたの？」

「うん。プロポーズされた時は、感動とか嬉しさとかで泣きそうだったなぁ」


「冴さん、プロポーズなんて言ってた？」

「愛してる。ずっと一緒にいろって」

「冴さん、かっくいー」


あの糸師冴が愛してるとか言うのはまったく想像出来ない。

本当は、普段テレビで見ている姿と姉の前では違うのかもしれない。


「どうやってつき合ったの？」

「だんだん、顔を合わせる内に冴ちゃんから家の家賃が高いなら俺の家に住めばいいって」


ん？ん？


なんかいろいろとおかしかったり、
危機感が無さすぎたりするが、姉がいいならいいのだろう。


「で、なんかカレカノみたいだねって言ったら、もう付き合ってるだろって言われて付き合ってるんだってなった」

「ん？お姉様？」

「いつものお姉ちゃんもいいけど、お姉様って言うのもいいねぇ〜」

「そこじゃない」


なんだろう。

姉は決して天然というわけでわないが……。

冴選手がおかしいとは思えなしな。


まぁ、姉が幸せならいいんだけど。


この場合だと姉は、冴さんのこと好きなのか？

なんか、流されて結婚したような気がする。

大丈夫か？




「お姉ちゃんは冴さんのこと好き？」

「うん。大好き」


幸せそうに微笑む姉は、
私が見てきたどの姉よりも綺麗だった。

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