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「ほんとにさっきはありがとうございました…！」
《いえいえ、気づいてもらえてよかった》
公演後、隣のお姉さんにお礼を言うと《協力ぐらいでお礼なんかいいんだよ》と優しく微笑んでくれた。
ほんとに優しい人だ……
しかも美人だし……
《そうだ。よかったらこの後一緒にお茶でもどう？》
「え、いいんですか、？」
《もちろん！単番同士だし、仲良くなりたいなって笑》
ヲタクってちょっと怖いイメージあったけど、素敵な人もいるんだね……
なんか嬉しいな、笑
そしてずっとここにいるのもあれだから、と会場を出てから近くにあるカフェに入ってお話することに。
向かい合わせになった席に着くと、長い間立ったせいで疲れた足が一気に解放された感じがした。
《遅くなったけど、わたしは瑠璃っていいます》
「わたしはAっていいます、！」
すると"瑠璃さん"はニコッと笑って「よろしくね」と手を差し出してくれるから、わたしは迷うことなくその手を握った。
瑠璃「Aちゃんはいつから瑞稀担なの？」
「つい最近です……めちゃくちゃ新規なんですよ……」
瑠璃「そんなこと気にしなくていいよ！わたしも１,２年前からだし」
なんて言ってくれる瑠璃さんは女神なのかもしれない。
瑠璃「それにしてもあんなに構ってもらえるなんてすごいね〜！」
「そ、そうですかね、？」
実はメンバーと面識あるんですよね、なんて言えるわけないし、ここではただ運が良かったということにしておこう。
どうか怪しまれませんように……
「そういえば、瑠璃さんはほんとに猪狩くんに構ってもらわなくてよかったんですか…？あそこだったら絶対来てくれたと思うんですけど……」
瑠璃「……うん。あれでいいの」
ほとんどの人はファンサしてもらいたいって思ってるのにね……
あれ、でもなんで猪狩くんも瑠璃さんにファンサしなかったの？
わたしにはしたのに、隣にいた自分のファンの瑠璃さんにはしなかった……
なんでだろう……
瑠璃さんは美人で優しくて完璧だけど、なんだかどこか不思議な人だな……
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作者名：ｻﾘｰ。
| 作成日時：2020年3月8日 20時
