・ ページ4
Aさんside
いつもの狭い抜け道をくぐりながら、私は「また来たよ〜」なんて呑気に言っていた。
ぱっと抜け道から出る。
まず視界に入ってきたのは、たくさんのねこ
そして次に、彩やかな金髪。
私は驚きでさっと無表情になった。
男の子が、いた
「………え。」
何拍か遅れて、私は驚きを口にした。
驚いているのに、声だけはなぜか冷静でふるえることもなかった。
「………ッス…」
男の子も驚いたように、掠れるような小さな声で応える
その間、私たちはずっと見つめあっていた
ただただびっくりして、言葉が出なくて、ひたすら見つめあっていた
今考えるとだいぶシュールで笑えてしまう。
「…初めまして」
「…うっス…」
気まずいこの空気を破ったのは、他でもない、ねこさん達だった。
私の膝元にねこ達が集まってくる。
身をすり寄せて来たり、腹を見せて寝転んだり、かわいい声で甘え出したり。
私は思わず表情を崩して、ねこ達を撫でてしまう
「…ずいぶん、懐いてるんスね」
ふと、空気と化していた金髪の男の子が口を開く
よくよく見てみると耳にはピアスまで付いていた。
太陽に反射して、歯向かうように眩しく光っている
「…通ってたら、いつの間にか」
返事が遅れたのは、目の前にいる彼の情報量が多すぎたからだ
焼けてない綺麗な白い肌に、天然で澄んでいる青い瞳
決して大きい訳でもないのに、どこか吸い寄せられるような目だった。
ふわふわで軽そうな金髪の髪は、彼にとてもよく似合っていた
きれいだなぁ、と率直に思った
「なるほどっス」
どこか不思議そうに私を見つめていた目は、パッと弾けたように明るくなる
人懐っこい彼の笑顔につられて、私まで口をほころばせていた。
さっきまで痛いくらいだった日差しの温度が、柔らかく私を包み込む
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はちみつぷーさん(プロフ) - Miyumiyuさん» 初コメ嬉しいい･･･！ありがとうございます、モチベ上がりました！頑張ります！ (2022年4月8日 15時) (
レス) @page1 id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
Miyumiyu - めっちゃ面白いいいいいいい！千冬可愛いですねえ！更新楽しみにしてます＾＾ (2022年4月8日 14時) (レス) @page8 id: d2d5035906 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はちみつぷーさん | 作成日時：2022年4月7日 18時
