ケモノ阿吽のいる暮らし。 (ページ6)

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牛島さんが教えにきた。ページ6

ピーンポーン

誰だ午後8時20分という

常識外れの時間にここに来る奴は！

『どーちら様ですかぁ…若利じゃんどうしたの。』

我らが天然記念物牛島若利が玄関の前に立っていた。

「今日泊まっていっていいか」

『もちろん。わけは後で聞くから上がりなさいな』

「あぁ」

若利がここにくるのは比較的稀だ。

どうしたんだろうか。

『んで今日はどうしたの』

「明日校外練習があるだろう」

『あるね』

明日の土曜日は校外練習で

市内の体育館を6時間丸々使う練習がある。

若利が来たことになにか関係があるのか？

「それでだな」

『うん』

「Aが遅れるとまずいので

誰かAのところへ泊まるということに

なってだな」

『うん』

いやまず本人に連絡取ろうよ。

「俺が行くことになった」

『そういうことね。大体分かった。

お風呂沸いてるから入ってきな。

いつものところに布団は敷いておくから』

「ありがとう」

『ん』

若利は大きい体を持ち上げてお風呂へ向かった。

『…んで？早く出てきなさい。ハジメ、トオル』

「ゔぅ…」

『だいじょーぶだいじょーぶ、

若利天然なだけだから』

そう宥めながら2匹の頭を撫でくりまわす。

『若利も仲良くなりたいんだよ？』

「ぐるる…」

なんでそんな怒ってるのトオル。

その後結局朝早く起きるのは

変わらないので私が若利を

起こして学校へ行きましたとさ。

早く起きたのが原因なのかロードワークに

付き合わされ疲れた。

何故彼はあんな走った後でも

心なしか爽やかな表情をしているのだろう。

まぁカッコいいから別にいいんだけど。

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牛島さん

本名牛島若利。白鳥沢学園高校3年生で男子バレー部主将。白鳥沢が誇る天然記念物で歯に衣着せない口調が特徴的。Aさんの家には気紛れでくる。トオルを気に入ってるらしくあれこれとしてみているがどうにも懐かれない。心なしかトオルに「ウシワカチャン」と呼ばれている気がする。