ケモノ阿吽のいる暮らし。 (ページ48)

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懐かしい。ページ48

山形side

「おー！」

Aが夕飯を作ってくれている間にこっそり

トオルとAの部屋を漁っている。

トオルが「ここ探して！」みたいに引き出しを

ツンツンするものだから気になって仕方がなかった。

みれば1冊の小さなアルバム。

『白鳥沢学園男子バレー部』

と書かれ、端が少し寄れている。

THE・使いこされたアルバム。

開いてみれば、俺らの3年間の思い出が

ぎゅっと詰まっていた。

あれから4年かぁ…

俺、瀬見、Aは仙台市内の大学へ。

今も現役として3人頑張っている。

そこに白布、川西も入ってきて、

5人で笑ったり、泣いたり、楽しい毎日を

送っている。

若利は世界行っちまったし、獅音は就職。

天童は…バレーはやめたものの、たまに集まった時

にするバレーのゲスブロックは衰えていない。

天童は「就職は内緒ダヨ～！！」とかいって

みんなに教えてくれなかった。

いや何してんだよあいつ。

五色は若利を追っかけて推薦で都会の方の大学へ

行ったらしい。今でも週1には連絡を送って来て、

「牛島さんを超えてやります！」

なーんていってやがる。

俺らはAの親御さんの知り合いに

「どうせ行き先同じなら少しでも浮かせなさい！」

なんて言われて知り合いの人に譲られた家を

シェアハウスしている。

帰ってくるのはAが大抵遅いけど、

作り置きしてくれているあたりやっぱり

AはAだと思う。

幸せってこう言うことを言うんだなーって

しみじみしながら写真に目を通していると。

『人のアルバムを漁ってる悪い子だーれだ？』

「…俺っす」

バレた。

『ご飯できたよ？』と俺を呼びに来てくれたA。

呼びにきたはいいが俺はアルバムを持って

Aに言った。

「なぁなぁ、これ覚えてるか？」

『あー！なっつかしー！

あれでしょ、私達が3年の時に撮った部活の紹介

用の写真！うわー！あれから4年も経つんだね！』

『みんなおっきくなっちゃってさ！』と

はにかむA。

そして『あ、そうそう』と続けるA。

『若利、今日帰ってくるって！

みんなもこっち来るって！』

「マジか！？」

『今日お酒開けちゃお！工と獅音、覚の分も

ご飯作るから手伝って！！』

「おう！」

リビングで［バレー魂］と文字がプリントアウト

されたエプロンを着た瀬見に「おせーぞ」と

叱られた。

今日は楽しくなりそうだ。