気に留めないのは元々。 ページ35
瀬見side
「ドライヤーどこ？」
『洗面台の棚、右の1番下』
「んー」
『そろそろ覚えようよ』
「ハジメ達が持ってくるから」
Aんちに泊まりに来てるが、
風呂上がりにドライヤーが見つからなかったので
部屋にいるAに聞きに来た。
部屋でハジメとトオルを撫でているAを
写メりたいと何度思ったことか。
「Aー、疲れた」
『私にどうしろと』
「癒して」
『おいで』
聞いたか。聞いたか！？そう！
Aには危機感というものが存在しない！！
信頼されてるのは嬉しいけどフツー自室の、
しかもベッドの上で腕広げて
『おいで』ってするか！？
え、いやもちろん行くけど！！←
『疲れてたの？』
「ん、んー…まぁそんなところ」
背中をさすってくれるAかぁいい。
トオルとハジメはこっちを凝視している。
『？…トオル、ハジメ、いっせー呼んできて』
Aがトオルとハジメを向こうへやった。
いや危機感！アウト！
『何百面相してんの。表情筋元気じゃん』
「お前のせいでな」
『私のせいなのか』
反省反省、と俺をさすりながら言うA。
叱らないとこれはマズいよな…？
「少しは危機感ってねぇの？」
『英太だから』
「バカにしてる？」
『信頼できるって言ってるの』
「だー…もうっ！」がたっ
『うぉっ』
これはマズいな。
どうにかしなければ。
『…どうしたの』
「一応俺お前より力強いし…
男子高校生なんだからな？」
馬乗りになってAに言う。
当の本人は驚いているよう。
『英太……
無理してない？大丈夫？』
「してねっての」
『さっき疲れたって言ってたじゃん。
休まないと回復しないよ？』
「人選ばないとダメだぞ？」
『そりゃダメでしょうね』
「かぁいくねぇ…」どさっ
『ん、よくできました』
諦めた。こいつの気に留めない精神は放免だ。
「恥ずかしさとかねーのかよ…」
『んー…わからん』
「恥ずかしがれ〜…ばか〜…」
Aに覆い被さって不平をぐちぐち言う。
恥ずかしさとかはAの中では
俺らの前でないらしい。
…一応俺今こいつの太もも締めてるんだけどな？
腕も掴んでるんだけどな？
「(一応締め小股やってんだがな…)」
『？』
まぁいいや。今日は満喫しとこ。
この後ハジメとトオルがいっせーを連れてきて
散々甘噛みされた。
お前らも揃いも揃ってかぁいいかよ。
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作者名：しろめっと | 作成日時：2020年1月13日 20時
