│ ページ3
「っあ…鍾離さん」
「冷める前に早く飲むといい。」
少しタルタリヤさんの顔が暗く見えたのは私の見間違いだろうか？…
「俺はもうちょっと周りを見てくるよ。」
「そうか公子殿は飲まないんだな。」
鍾離さんがついでくれたお茶を飲んだ。
少し変な味というか、頭がフワフワする。
まさか変な薬でも入れられてないだろうか…？出会って間もない人が作った茶など飲むべきではなかったかも知れない。
「ぼーっとしているが、どうした？熱でもあるのか？」
鍾離さんの大きい手が私の頬に触れた。頭がふわふわして抵抗もできない…
少しこの展開にドキッとしてしまった自分に腹が立つ。
彼もまさか私を…？だとするならば会って間もないのに好意を抱くか？やはり、この世界はループしていると考えた方が良いのではないか…
「…体調が悪いなら俺がベッドまで運ぼうか？」
いや、この状況でベッドに運ばれるのはまずいだろう…
どうにかして体を動かさなければ…！
ダメだ。体が動かない…？
タルタリヤさんの姿も見えない。この状況で2人だけはまずい！声も出ない…
鍾離さんが付けていた手袋が外されて、男らしい手が現れた。
それの手でもう一度私の頬を触れる。
私は少しでも逃げるために体を後ろへ1歩。…と思ったが椅子に座っている状態だ。逃げることも出来ない。
鍾離さんの顔がどんどん近づいてくる。そして唇同士が触れそうな時…
「ちょっと？！鍾離先生〜？！」
タルタリヤさんだ！探索から戻ってきたんだ！あぁ…助かった。彼も私からすれば危険人物だがこういう時は救世主とも見える。
「さすがの鍾離先生でもそれ以上は許せないなぁ〜？それにAちゃんの茶に何か入れただろ？入れてなければ、彼女はこんなに力が抜けてないよ？」
「…さすが公子殿、こんなにタイミングよく来るとはな。だが1つ訂正させてもらうが、彼女の茶には何も入れていない。」
2人の論争に呆気を取られていると、鍾離さんと目が合った。
彼の目はドロドロに解けたような琥珀色の目で私を見ていた。今は彼が怖くて仕方がない。
どうして彼らはそんな目で私を見る？？ただの恋愛感情とはまた違ったドロドロとしてもっと気持ちの悪いものを感じさせるような目。
「Aも怖がっている。この話はやめないか。彼女も疲れてただろう、少しベッドで休憩して行かないか？」
「それもそうだね。君の部屋へ案内するよ。」
あぁ…瞼が思い。彼らの声が遠ざかってゆく。ここで寝てはダメな筈なのに……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青晴空@くれふぁん所属(プロフ) - オ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グ立ってますよ〜 更新頑張ってください！！ (2022年9月18日 11時) (
レス) id: 06dde910e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤ぶくろさん。 | 作成日時：2022年9月1日 21時
