弱いとこ 2 ページ50
赤井「ほんとに、よく頑張った。」
俺の腕の中で泣き疲れて眠ったA。
泣いたせいで、更に熱が上がっているだろう。
体が熱いし、吐く息も辛そうだ。
コナン「赤井さん?まだここにいたんだ。」
赤井「あぁ。」
Aをベッドに寝かせると坊やがちょうど阿笠邸から帰ってきた。
コナン「灰原、夜ご飯作りにこっちに来るって。」
赤井「変装しなければいけないな。」
コナン「うん。それよりA姉ちゃん、また熱上がってない?」
ベッドに近づいてAを覗き込んだ坊やが呟く。
赤井「だいぶ辛かったようだ、体力的にも精神的にも。先程までずっと泣いていたよ。」
コナン「そっか。でもそうだよね...両親の死を目の当たりにして自分までこんな目に合って...。無理して笑うことないのに。」
赤井「人を頼るのが不得手なんだよな。」
コナン「体だけでも早く良くなるといいね。」
坊やはそう言いながらAの頬を撫でた。
その時にさらに顔を歪めていたから大分熱かったのだろう。
コナン「赤井さん、変装してきたら?僕ここでA姉ちゃんの様子見てるからさ。」
赤井「あぁ、頼んだ。」
俺は坊やにAを頼み、沖矢昴に変装をしに部屋を出た。
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赤井さんが部屋を出て行ってAと2人きりになった俺。
コナン「ごめんな、A。」
無事に組織を抜け出せたとはいえ、怪我を追わせてしまった。
こうなることも予想出来たはずなのに、あと一歩の詰めが甘かった。
俺の責任だ。
額のタオルがぬるくなっていたから氷水につけてAの額に乗せ直す。
「...ん、コナンくん?」
コナン「あ、わりぃ。起こしちまったか?」
「ううん、平気...ありがとねコナンくん。」
コナン「あぁこれくらい大したことないよ。」
「いや、そうじゃなくて...作戦を、考えてくれて、私を組織から、連れ出してくれて...ありがと...ハァッ」
それだけ言って軽く微笑むとまた目をつぶってしまった。
熱も上がっていて話すだけでも辛いだろうに。
それを言うためだけに目を開けたのかよ。
ほんとにおめーは...。
相手の欲しい言葉を投げかけられるくせに、自分のことは後回し。
自分でも知らない間に色々溜め込んでるんだよ。
コナン「素直になれよな。」
辛そうな息を吐いているAにそう囁いた。
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はちみつ(プロフ) - ミルクさん» コメントありがとうございます。参考にしたいと言って頂けて嬉しいのですが、どの程度参考するかに寄ります(汗)少し似ている部分があっても違う話だとわかる場合は参考にしていただいても構いませんよ! (2020年10月16日 10時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 作品を参考にする事ついて質問なんですが、いいですか? (2020年10月16日 10時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - うん。気になる() (2020年7月28日 9時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 里さん» えぇ、そうなんです。不自由な生活をさせていた分、両親は本当に主人公ちゃんを愛していたんです。そう言って頂けて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
里(プロフ) - なるほど!!カクテルの意味はそんな理由が……。夢主は父と母の愛情をたっくさん貰って生きていたんですね。感動しました!!(泣) (2020年7月26日 9時) (レス) id: 98a3710ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ | 作成日時:2020年7月14日 1時