危険の予感 1 ページ29
あのあと、子供たちはコナンくんから聞いたトリックを博士に伝えに行こうと得意げな顔をして工藤邸を出ていき、ジョディさんとキャメルさんも帰っていった。
ちなみにコナンくんも、そろそろ探偵事務所の方に帰らないと蘭が心配するからって言って帰っていった。
一気に静かになった工藤邸。
赤井さんはパソコンと向き合って何やら作業をしているみたい。
私は、すっかりお気に入りになってしまったハーブティーを飲みながら書斎から借りてきた本を読んでいた。
二人の間に流れる穏やかな時間。
これが嵐の前の静けさだったということは、皮肉にも直ぐに分かることとなった。
「あれ、メール?...ッ!」
また蘭たちだろうかと思って携帯を取ろうとした時に気がついた。
プライベート用の携帯ではなく、組織用の携帯にメールが届いていたのだ。
私は、少し震える手でメールを開いた。
___明日、組織のラボに来い。
差出人はジン。
組織のアジトではなく、ラボに来いということは私に作業してもらいたいことがあるのか、もしくは...
「ラボごと私を消すか...か。」
爆破させてしまえば何もかも跡形もなく消える。
つまり、大事なのはラボの建物ではなくラボの中にある情報。
組織にとって必要な情報だけ爆破前に移動させてしまえば建物ごと木っ端微塵にしたところで組織は痛くも痒くもない。
また新しい建物を用意すれば良いんだから。
私にやらせたい作業があるのか、私を消すつもりかは知らないけど、暫く組織から解放してはもらえなさそうだ。
赤井「A、どうした。」
私の様子がおかしい事に気がついた赤井さんは私に声をかけた。
「明日、組織のラボに来いって召集がかかった。」
赤井「...!」
「なんか、私にやらせたい作業があるみたい。大丈夫、なにかありそうな匂いはしないから。」
赤井「...そうか。」
やはり、このままここにいるのは危険すぎる。
もし私がこのまま赤井さんたちとの接触を続けたまま組織に居座り続ければ、いずれバレてしまう。
かと言って、組織を抜けられる可能性は限りなくゼロに近い。
黒から抜け出せる方法なんて、どこにもありはしない。
助けを求めたけど、どう考えても今の状態のままコナンくんたちと関わることなんてできっこない。
やっぱり無理だよ。
私があなた達と距離を置く以外に方法なんてない。
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はちみつ(プロフ) - ミルクさん» コメントありがとうございます。参考にしたいと言って頂けて嬉しいのですが、どの程度参考するかに寄ります(汗)少し似ている部分があっても違う話だとわかる場合は参考にしていただいても構いませんよ! (2020年10月16日 10時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 作品を参考にする事ついて質問なんですが、いいですか? (2020年10月16日 10時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - うん。気になる() (2020年7月28日 9時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 里さん» えぇ、そうなんです。不自由な生活をさせていた分、両親は本当に主人公ちゃんを愛していたんです。そう言って頂けて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
里(プロフ) - なるほど!!カクテルの意味はそんな理由が……。夢主は父と母の愛情をたっくさん貰って生きていたんですね。感動しました!!(泣) (2020年7月26日 9時) (レス) id: 98a3710ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ | 作成日時:2020年7月14日 1時