心の叫び 5 ページ3
｢赤井さん、助けて...っ｣
涙ながらに、ずっと口に出来なかった言葉を伝えれば温もりに包まれる私の体。
赤井｢前にも言っただろう。命に代えてもお前を守ると。｣
赤井さんの腕の中で、その言葉をもう一度しっかり心に刻んだ。
｢でも、赤井さんが死んじゃうのは嫌...｣
赤井｢わかっている。それぐらいの覚悟と言うことだ。｣
｢...うん｣
組織のことだ。
お父さんとお母さんを始末したということは、私にも何かしらアクションを起こしてくるはずだ。
でも、私には味方が沢山いる。
私も死なないし、周りのことも絶対に死なせない。
赤井さんの言葉を聞くと、何故かそう思えたんだ。
今まで泣けていなかった分の涙を出し切るかのように、その後も赤井さんの腕の中でしばらく泣き続けた私は、その温もりに体を預けて意識を手放した。
・
・
・
赤井｢まったく...、手のかかるお姫様だ。｣
腕の中の泣き声が寝息に変わった時、俺は軽くため息をついてAの背中に回していた腕の力を緩めた。
そっとソファーに寝かせてやれば、まだまつ毛が水滴で少し濡れていた。
だいぶ泣いていたが、目は腫れていないようだ。
夢見が悪いんだろうと予想はしていたが、あそこまでだとは思わなかった。
彼女が寝付いてから、悪夢にうなされて起きるまで約1時間。
あれだけ短時間のペースで起きていたら、眠りにつきたくなくなるのも無理はない。
しかも今日は母親が死ぬ瞬間の動画を見せられて、まだ混乱している状態。
見た夢も相当辛いものだったはずだ。
ただ、コードネームの真相を伝えた時は震えていただけのAがこうやって泣けたのは、進歩と言ってもいいだろう。
赤井｢カクテル、か...｣
Aを見つめながらそう呟いた俺は、あることに気が付き、口角を上げた。
赤井｢俺と一緒にいれば、お前は女王になるのか。もう怖いものなんてないな。｣
そっとAの頭を撫でる。
赤井｢...そういえば、バーボンと一緒にいても女王になるのか。大丈夫、彼も直ぐにお前の味方になる。｣
メアリーがここまで考えてAにキャロルというコードネームをつけたのかは知らないが、ここまで来るともはや運命だな。
ハーブティーの片付けは明日の朝でいいか...。
俺は、触れたら折れてしまうんじゃないかと思うほど華奢なAの体を持ち上げて、Aが寝ていた部屋へと向かった。
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はちみつ(プロフ) - ミルクさん» コメントありがとうございます。参考にしたいと言って頂けて嬉しいのですが、どの程度参考するかに寄ります(汗)少し似ている部分があっても違う話だとわかる場合は参考にしていただいても構いませんよ！ (2020年10月16日 10時) (
レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 作品を参考にする事ついて質問なんですが、いいですか？ (2020年10月16日 10時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - うん。気になる() (2020年7月28日 9時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 里さん» えぇ、そうなんです。不自由な生活をさせていた分、両親は本当に主人公ちゃんを愛していたんです。そう言って頂けて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします！ (2020年7月26日 12時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
里(プロフ) - なるほど！！カクテルの意味はそんな理由が……。夢主は父と母の愛情をたっくさん貰って生きていたんですね。感動しました！！（泣） (2020年7月26日 9時) (レス) id: 98a3710ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちみつ | 作成日時：2020年7月14日 1時
