心の叫び 3 ページ1
「いやっ...ごめんなさい、ごめんなさい...もうやめて...っ」
赤井「A、大丈夫だ!俺はここにいる!」
私の事を頭ごと抱きしめて何度も私に話しかける赤井さん。
その声に、私の荒かった呼吸は少しずつ落ち着いていく。
赤井さんは私を抱きしめたまま背中を摩ってくれた。
そして、私の呼吸が落ち着いたところで腕の力を緩めて顔を覗き込んでから、汗で張り付いた私の髪を払う。
赤井「いつも夜はこんな感じなのか。」
私はその言葉に小さく頷く。
「眠れたと思ってもすぐに悪夢に叩き起されて、その後は夢を見るのが怖くて眠れなくなる。」
赤井「いつからこんな感じだ?」
「お父さんが、死んでからずっと。」
赤井「やはり結構前からか...。これでは熱を下げたくても下げられないのも無理はない。」
そう言いながら、さっき抱きしめられた反動で額から落ちてしまったタオルを氷水に入れ直す赤井さん。
まだ微熱はあるんだし、このあとも寝ないとダメだよね。
それでもベッドに横になる気にはならなくて、俯いてじっとしていた。
赤井「ハーブティーでも飲むか?」
「えっ?」
全く予想していなかった言葉が飛び出してきて反応が遅れる。
赤井「このまま横になっても、またさっきのような夢を見てしまうかもしれんしな。ここは1つ、2人で夜更かしというのはどうだ?」
お互いに明日用事があるわけではないし、と付け加えて私を見つめる。
「夜更かしします、したいです」
不思議だ。
さっきまで不安で不安で仕方なかったのに、今は赤井さんとの夜更かしにワクワクしてしまうなんて。
本当にこの人は私の1枚も2枚もうわてで、追いつけない。
私はベッドを降りて赤井さんと一緒にキッチンに向かう。
そこで2人でハーブティーを入れて、リビングに向かう。
「やっぱりいい香り。」
赤井「あぁ、悪くない。」
2人でソファーに腰掛ける。
私は赤井さんが持ってきてくれたブランケットにくるまりながら座っている。
なんだか、2人だけ置き去りにされてゆっくり時間が流れているみたい。
置き去りは嫌だけど、赤井さんとならいいかな、なんて思ったり。
「私...ずっと怖かったの。」
ふと私が思っていたことを話し始める。
なぜこのタイミングで、しかも赤井さんに話し始めたのかはわからない。
でも、何故か今じゃないとダメだと心が訴えた。
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はちみつ(プロフ) - ミルクさん» コメントありがとうございます。参考にしたいと言って頂けて嬉しいのですが、どの程度参考するかに寄ります(汗)少し似ている部分があっても違う話だとわかる場合は参考にしていただいても構いませんよ! (2020年10月16日 10時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 作品を参考にする事ついて質問なんですが、いいですか? (2020年10月16日 10時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - うん。気になる() (2020年7月28日 9時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 里さん» えぇ、そうなんです。不自由な生活をさせていた分、両親は本当に主人公ちゃんを愛していたんです。そう言って頂けて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2020年7月26日 12時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
里(プロフ) - なるほど!!カクテルの意味はそんな理由が……。夢主は父と母の愛情をたっくさん貰って生きていたんですね。感動しました!!(泣) (2020年7月26日 9時) (レス) id: 98a3710ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ | 作成日時:2020年7月14日 1時