28 過去編 ページ30
「…ほんとに、捨てられちゃった」
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理解するのに時間はかからなかった。
あの後、1人稽古場で泣いていたところに父と母がやってきて「お前はもう善知鳥を名乗るな」と言われた。
そう言い放った父は、私を蔑んだ目で見つめていた。
母は、一刻も早く私から離れたいのか、私とは目も合わせず父の斜め後ろに立っていた。
母「こんなことになるなら、産まなければ良かった。」
その母の言葉を最後に、私はブラックアウトした。
彼らは、私が意図的に攻撃をしたと思い込んだ。
私の意見なんて、気持ちなんて、1回も聞いてくれたことなんてなかった。
私は…どうしたら良かったの?
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そして最初に戻る。
日の眩しさに目を開けたら森の中。手足は縄で拘束されている。
さらに、周りから呪力を感じた。
これが呪霊の気配…?
呪術を習ってはいたが、呪霊に対して使ったことは無い。
つまり、実践はしたことがなかった。
感じ取れるだけでも結構な数の呪霊がいることが分かった。
「ここで死ねってことか…」
いくら呪力があるとはいえ実践を1度もしたことがなく、今は手足を縛られている。
オマケに発熱までしているのだ。
ここに放置すれば確実に死ぬと考えたのだろう。
御三家への言い訳は、素直に呪力が暴走したため処刑したと伝えるか、初めての実践で呪霊に殺されたと伝えるかのどちらかかな。
「どうせ死ぬなら、お父様とお母様に殺されたかったよ…。最後まで、私には触れてくれないんだね。」
思いっきり抱きしめてもらったことも、頭を撫でてもらった記憶も、ない。
このまま…このまま1人で死んでいくのかな…。
私の体の中は、負の感情で埋め尽くされていた。
その時、1匹の呪霊が私に襲いかかろうと木の影から飛び出してきた。
どうしてみんなみんな、私を殺そうとするの…!?
「…お前らが私を産んだんだろっ!?!?」
____ドガーンッ!!!!
溜まっていた負の感情が爆発して呪力へと変換される。
相当な呪力を放出してしまったらしく、辺り一面の気は焦げて倒れ、襲いかかってきた呪霊だけじゃなく、周りにいた呪霊全てが祓われた。
その威力は相当であることは明白だった。
一般人が見れば、隕石が落ちたのではないかと思うほどの威力だ。
先程の呪力放出で、手足を拘束していた縄は焦げて解けたが、私はその場に座り込んで動けなかった。
ただ、熱のせいか、自分の強さに気付いたせいか、全身の震えが止まらなかった。
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プスメラ - はちみつさん、渋谷事変編は、曲げ欲しいです。後五条悟を封印しないで欲しいです。お願い出来ますか? (2021年6月20日 20時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます。はい、五条先生オチで作成中です。ありがとうございます、頑張ります! (2021年1月24日 7時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - はちみつさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月23日 2時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ミラさん» リクエストありがとうございます!初めてのリクエストでめちゃくちゃ喜んでます(笑)最高です!構想練ります!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - はちみつさん» 返信ありがとうございます!楽しみにしてます!リクエストなのですが、五条先生が夢を見て視線の先には、大人夢主ちゃんがいて誰かと幸せそうに笑い合ってる光景を見て悲しく思ってるのが見たいです!(その誰かが五条先生本人ならもっと面白いです)ご検討ください! (2021年1月13日 22時) (レス) id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ | 作成日時:2021年1月7日 3時