すまないの意味 2 ページ39
赤井「ところで、その帽子はなんだ?家を出ていった時には被っていなかっただろう?」
「あっ…」
赤井さんの温もりに埋もれていたところにその一言が頭上から降ってくる。
力が抜けていた体が一瞬で固まる。
そうでした、快斗から貰った帽子、手に持ったまま赤井さんに抱きついてました。
「…えっと、これは」
正直に話すべき、だよね。
でもどう話せばいいのさ、友達?怪盗キッド?なんて説明すればいいのかとても困る。
「家を飛び出したあと、知り合いに、会って…話を聞いてもらったらこの帽子を貰いました。」
我ながら自分の語彙力に失望した。
赤井「ほぉー。知り合い、か。」
「すみません、怪盗キッドに会いました。かくかくしかじかで、私の今の状況を知ってて、私の顔が周りから見えないようにこの帽子をくれました。」
変に誤魔化すより素直に白状した方がいいと思って、いや、赤井さんの圧に負けて一息で成り行きを伝える。
赤井「ほぉ、怪盗には興味はなかったがこれを機に調べてみるのも良さそうだ。」
「え…?」
赤井「安心しろ、お前が説明しなくても正体まで全て突き止めてやるから。」
「ちょっ、そこまでしなくても…!」
赤井さんの腕の中で顔だけ上を向いて赤井さんの顔を見つめる。
目がマジでした。
快斗、ごめん。逃げて。
赤井さんに正体バレるとか、いくら快斗でも逃げきれない。
赤井「Aの気持ちの整理を手伝ってくれたのはありがたいが、プレゼントまでするとは少々おいたが過ぎるからな。」
「え…」
赤井「なぁに、捕まえたりはしないさ。彼は日本の怪盗。アメリカにまで手を出して来たら大人しくしている訳にはいかないが、彼が日本で暴れているうちは日本の警察におまかせするさ。」
「じゃあ、なんで怪盗キッドのこと調べるなんて…」
赤井「好きな女に近づく輩は、全て正体を暴いておきたいと思うものだからな。」
いやいや、それは赤井さんだけだと思うけど。
その言葉は、赤井さんの「そうだろう?」という圧に負けて吐息となって消えた。
快斗、ごめん。ほんとに逃げて。
そう思っていると、私の手からスっとその帽子が離れた。赤井さんが抜き取ったのだ。
赤井「さあ、この帽子はもう必要ないだろう?新しいのは俺が買ってやる。」
「あ、ありがとう…。」
知っていた、知っていてはいたけども。
私は色々と、やばい男に捕まってしまったのかもしれない。
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玲(プロフ) - 一気読みしてしまった、続きが気になりすぎてやばいです!更新待ってます! (5月10日 3時) (レス) @page39 id: 234de6e2ab (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年4月27日 17時) (レス) @page39 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 佳奈さん» コメントありがとうございます!没頭して頂けたなんて…嬉しすぎます!!応援してくれている方がいると思うと、もっと頑張れます!これからもよろしくお願いします! (2021年5月13日 12時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
佳奈(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます。気づいたら朝でめちゃくちゃ泣いてました…リアルが忙しいと思いますが応援してます、頑張って下さい! (2021年5月13日 8時) (レス) id: 8a6b537f0c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ハナさん» コメントありがとうございます!!皆様からのコメントが溢れてて心の中は大洪水です!そのお言葉で頑張れます、ありがとうございます!! (2021年5月6日 20時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ | 作成日時:2020年8月5日 0時