この思いを君に捧げる 5[名探偵コナン]

私だけ 2 ページ32

赤井｢A…？お前、やっぱり体調悪いんじゃないか？さっきからボーッとしてるみたいだし。｣



｢…だいじょうぶだよ｣



赤井｢どこが大丈夫だ。お前の大丈夫は信頼できない。｣







えぇ、大丈夫じゃありませんとも。



あなたのせいで！！



好きだって自覚したからなのか、距離感がやけに近い気がして、その度にドキドキしては、こんな気持ち抱いてるの私だけだって落ち込んで。



感情が騒がしすぎて平然となんてしていられませんよ！






赤井｢…熱は無さそうだが｣



｢だから大丈夫だって。｣






当たり前のように額に手を当て、その後に首に手を当てる赤井さん。



そんなふうに平然と女子に触れるなんて、相当女の子の扱いに慣れていらっしゃるんでしょうね赤井秀一さん。



そりゃFBIの切れ者ですもんね。苦手なものなんてないんでしょうね。



何故か赤井さんの女の子慣れしたその行動にも、イライラして棘のある返しをしてしまう。



でもそのイライラの中には、やっぱりドキドキも入ってて。



それが無性に悲しくなる。







赤井｢A、どうした。やっぱり何かあるんじゃないか？｣






私の首元に手は残ったまま、心配そうに私を見つめる赤井さん。


だから、その目は、やめってってば。


分かってる、好きになって貰えないことぐらい。


分かってるよ、私が特別じゃないことぐらい。


でも、やっぱり…やっぱり…






｢私ばっかり…｣



赤井｢…え？｣



｢好きなのに…こんなに赤井さんのこと好きなのに。分かってる、赤井さんに相応しくないことぐらい自分が一番よくわかってる…でも、好きなのは…こんなにドキドキしてるのは…やっぱり私だけじゃん｣







言ってしまった。



1度口からだした言葉は、もう二度と無かったことには出来ないんだったよね、名探偵。



もう、元には戻れない。



2人の間に沈黙が流れる。



赤井さんは何を考えているんだろう。



驚いた？困ってる？



今の私には赤井さんの目を見るだけの勇気はない。



無理だとわかっていても、やっぱり人間、いい方に考えてしまうもので。



少しだけ、ほんの少しだけ、赤井さんの言葉に期待していたんだ。



でもその後赤井さんから出た言葉は、私が1番聞きたくない言葉だった。









赤井｢すまない。｣

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