命の恩人 6 ページ11
ベルモット「ここまでやったんだもの、十分よ。さぁ、これ以上ここにいると公にあなたのことがバレてしまうわ。行きましょう。」
仮にも私は組織の人間。
目立つのはあまり宜しくない。
私は大人しくパソコンを閉じてベルモットの後に続いた。
その時。
「えっ...!?」
誰かに腕をバシッと掴まれた。
驚いて振り返ると、スーツにサングラスで息を切らした男の人が立っていた。
「誰...?」
松田「お前だろ...はぁ...爆弾の場所、突き止めたの...。」
「え...」
松田「俺は観覧車に乗ってた警察官だ。お前のおかげで命拾いしたから礼を言いに来たんだよ。」
無線で連絡した警察官に聞いて急いで探しに来てくれたのだろう。
不器用な伝え方だけど、私に感謝してくれているのは掴まれた腕からも伝わってくる。
でも、私は感謝されていい人間なんかじゃない。
「やめて...」
松田「え?」
「私は...感謝されていい人間じゃないから。」
松田「何言ってんだよ、現にこうやって俺や他の人達のことだって...」
「犯人...、シルエット見えたのに、それ以上分からなくて...顔...分からなくて...ごめんなさい」
松田「んなこと、お前のせいじゃねぇだろ。」
「ごめん、ごめんなさい...私のせいで、また人が、人が、死んじゃう...」
松田「また...?おい!落ち着け!そのままだと過呼吸になるぞ!」
私が犯人を見つけられなかったせいで、また人が死ぬかもしれない...。
そう思ったら息が苦しくなって、目の前が真っ暗になった。
私のそばにいる刑事さんは私の肩を掴んで声をかけてくれているけど、その声も遠い。
「はぁっ...ぅ...!」
手や足が痺れてきて苦しくて涙が溢れてくる。
松田「息吐く方に集中しろ。誰か!ビニールとか袋持ってるやつ居ないか!!」
ベルモット「A!!」
私が付いてきていないことに気がついたベルモットが、刑事さんの声を聞いてこっちに戻ってきた。
ベルモットは持っていた袋を私の口に当てる。
その間刑事さんは背中を摩ってくれていた。
ベルモット「だから、無茶するなって言ったのよ...」
私の呼吸が落ち着いた頃、ベルモットは眉を下げながらそう呟いた。
「もう大丈夫。ごめんなさい、迷惑かけて。」
松田「別に迷惑だなんて思ってねぇけど。」
ベルモット「さ、行きましょう」
松田「あ、おい!まだ話は...」
刑事さんが引き止める声を後ろに聞きながら、私達は逃げるようにその場を後にした。
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玲(プロフ) - 一気読みしてしまった、続きが気になりすぎてやばいです!更新待ってます! (5月10日 3時) (レス) @page39 id: 234de6e2ab (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2023年4月27日 17時) (レス) @page39 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - 佳奈さん» コメントありがとうございます!没頭して頂けたなんて…嬉しすぎます!!応援してくれている方がいると思うと、もっと頑張れます!これからもよろしくお願いします! (2021年5月13日 12時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
佳奈(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます。気づいたら朝でめちゃくちゃ泣いてました…リアルが忙しいと思いますが応援してます、頑張って下さい! (2021年5月13日 8時) (レス) id: 8a6b537f0c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ハナさん» コメントありがとうございます!!皆様からのコメントが溢れてて心の中は大洪水です!そのお言葉で頑張れます、ありがとうございます!! (2021年5月6日 20時) (レス) id: 47bbcb1aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつ | 作成日時:2020年8月5日 0時