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『ま、今のところはもう大丈夫さ!
それよりこれ抜ける?優しくね?やさーしく!』
点滴がついている腕を2人に向ければ、夏油君が手馴れたように処理を始めた。
五条君はそれをじっと見ながら、何かいうでもなく未だに難しい顔をしていた。
「はい。望み通り抜きはしたけど今日はベッドから出ないようにね。食事も持ってくるから。」
『えー。せめて運動したいなぁ。何せ1ヶ月寝てたらしいしね。私にしてみれば一夜のような気分だけどさ。』
「ダメに決まってるでしょ。運動も座学も明日。外出たらどうなるか分かるね?」
『オカンかな??』
『こんな娘は死んでも嫌だけどね。親不孝にも程があるよ。』
そこまで言うかな…。
けど言う通りにしておかないと後が怖そうだよ。
しょうがない。戦略的撤退と言うやつだ。
『プリン食べたいな。コンビニの宇治抹茶プリン!』
「そこの冷蔵庫入ってる。昨日買ってきたから賞味期限は大丈夫だろ。」
『えっ、ホントかい!?流石五条君!ナイスタイミングで買ってくるね!』
「まぁな。」
「…賞味期限切れそうになったら新しく補充してた事は言わないのかい?」
「うるせぇよ。」
プリンがあるなら外出る必要もないね!
いやぁ至れり尽くせりだよ。
「とりあえず、私達はもう行くよ。」
『そうかい。ありがとうね、色々と。』
「…A。」
『うん?どうしたの五条君。』
「明日買い物付き合え。」
『うん、構わないよ。』
「…ん。後もう1つ。
もう心配させんな。二度と目覚めねーかと思った。」
『…うん。ごめんね。』
「私からも。君は、自分が思ってる以上に周りに想われてる事を自覚した方がいい。
本当に、生きた心地がしなかった。もうこれっきりだと思っていいよね?」
『…。ごめんね、夏油君。』
2人の言葉に、私は力なく笑った。
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作者名:みゆ | 作成日時:2022年5月18日 19時