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「…まぁ、無理なもんは無理か。
ならよ、俺は連れて行けなくてもいい。代わりに、俺の子を連れて行ってくれねぇか。」
『…え?君の子供?…いたっけ?』
「ハハ。違ぇよ。お前と、俺の子供。」
『…君と、私の、?…え!?いやちょっと待って!い、一旦落ち着こう!!ね!』
彼は不気味な表情で薄ら笑った。
そして手馴れたように、私の服を捲し上げようと手をかける。
あぁ、やっと意味がわかったよ。土方君。
原田君に私の存在を隠そうとした理由が。
「悪ぃな。無理矢理は趣味じゃねぇけど、四の五の言ってられねぇからさ。」
『原田君!駄目だから…!それも歪みの要因になってしまうんだよ!』
「なら!!
俺はどうすればいいんだよ…。
なぁ、A。
好きなんだよ…。お前が。
俺の子を作るのは嫌なのか?俺が、嫌いなのか?」
『っ、…。好き、だよ。けど、君の想いに答えられないんだよ…。分かるでしょう?』
「分かんねぇよ…。お前は特殊過ぎる。思考も、言動も。俺とは何もかもが違う。
…だからこそ、惹かれちまうんだよ。
それは俺に限った事じゃねぇけど…。」
原田君の好きは、そういう好き、だったんだ。
気付かなかった。
いや、どうだろう。
心の奥底では、知っていたのかもしれない。
けどもう、それは200年前の出来事でしかなくて。
分かっていた所で、私は応えられなかった。
だから、無意識に気付かないふりをしていたのかもしれない。
…最低な女で、ごめんね。
私は誰とも、そうなれないんだよ…。
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作者名:みゆ | 作成日時:2022年5月18日 19時