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「とにかくこれ以上被害を受けるわけにはいかねぇ。平助と新八もそうだが、誰より左之に知られるのは非常にまずい。」
『人をテロみたいに言うね…。
原田君に知られると駄目なのかい?』
「うん。より面倒な事になるね。」
「俺も同意見です。ですが副長、左之よりたちの悪い奴がいます。」
「あー…。それは問題ねぇだろ。事情もなく好き好んで何度も新選組に侵入してはこねぇだろうよ。」
『アハハ!かの新選組に侵入してくる命知らずなんて風間君くらいしか思いつかないよ。』
「「「…。」」」
『あ、。』
風間君その人だったようだ。
風間千景。
彼とは新選組にお世話になっていた時、偶然知り合ってね。
珍しくも人ではない、鬼という種族の男。
鬼は彼を最後に絶滅してしまったらしいんだけどね…。
『それよりさ、君達こんな所にいていいのかい?暇なの?』
「暇な訳ないでしょ。巡回あるから。」
「…おい総司。時間過ぎてねぇか。」
「過ぎてますよ。土方さんが周り見とけなんて言うから行けてないんです。」
「先に言えよ!!すぐ行ってこい!」
「人使い荒いなぁ。…あれ?一君、君新人の稽古はどうしたの?」
「…新八に任せてある。」
「斎藤…てめぇでやれ。」
「ですが副長、Aはどうしますか。」
「そうだな…。いつ戻るか分かるのか。」
『そうだねぇ、向こうで相方が呪物を破壊すれば戻れると思うんだよ。けどすぐに出来る事でもなくてね。呪物破壊専用の呪具の回収、破壊にかかる時間を考えれば彼なら最短で半日…えーと、亥の刻には、と言った所かな。』
顎に手を当ててそう伝えれば、3人はそれぞれ何かを考えるように俯いた。
まぁ最短だから2、3時間はオーバーすると考えておいた方がいいかな。
襖から見えた太陽の位置から、大体今は11時くらいと言ったところだろうね。
伏黒君と任務地に赴いたのも大体そのくらいだったから、時間の経過は同じとみて良さそうかな。
…でもこれって伏黒君が呪物の破壊を試みてる前提の話なんだよねぇ。
そのまま放置されたらどうしよう?
うわぁ、有り得る…。
信じてるからね、伏黒君!
ーー
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作者名:みゆ | 作成日時:2022年5月18日 19時