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｢で。どうするの。戻るあてはあるの？｣
『あー。すぐには難しいかな…。』
｢あそう。このままここにいてもいいけど、君をずっと匿う事は出来ないよ？｣
『そうだよねぇ。土方君あたりには言っておくべきかなぁ。』
｢人に会うのがまずいのは何となく分かるけど協力得る為の最低限の人数は仕方ないんじゃない。｣
『うっ、そうだよね…。』
一応にも新選組の拠点だからね。ここ。
武士じゃないから気配を消すとかそんな事出来るわけないし、ここに居座れば居座るだけ大人数にバレる可能性がある訳だよ。
それはまずい。非常にまずい！
三馬鹿にバレるのが一番まずい！
だって彼ら口軽いもん！秒殺で広まるよ。
｢じゃあ良いって事だね。
だってさ、土方さん。盗み聞きしてたんだから事情は説明しなくてもいいですよね。｣
｢…あぁ。ったく、随分と面倒な事してくれたな。A。｣
『え、土方君…いたの！？』
｢最初からね。｣
『だったら出てきてくれてもいいのに…！』
開け放たれていた襖の死角から、音を立てずに土方君が姿を現した。
新選組副長、土方歳三。
…わぁ、これまた200年振り…。
な、なんか、本当、変な感じだよ。
｢原因は呪物、だったか。何でもありだな。｣
『ハハ。うん。まぁ、今回ばかりは必然と言えば必然な事象とも言えるんだけどね。』
｢…どういう事だ。｣
『えーと。ごめん。守秘義務ってやつかも。』
｢あぁ？こんなふざけた状況に巻き込まれてんだ。話せ。｣
『だ、大丈夫！多分そのうち帰れるから！向こうで伏黒く…って言っても分かんないね、相方がどうにかしてくれるはずだからさ。』
｢はぁ？ねぇ誰それまた男？｣
『いや、まぁそうだけど彼は悪友のようなものだから！嫉妬しないでよ沖田君。』
｢悪友は僕で十分じゃない。｣
『君ほど気の合う悪友は存在しないさ。』
｢…そ。ならいいけど。｣
｢…お前、相変わらず総司の扱い上手いな。
この際だ。ずっとここにいろよ。お前がこいつをどうにかしてくれりゃ俺の苦労が大半減る。｣
『いや話聞いてたんだよね？いちゃまずいんだってば…。』
分かるよ？沖田君のせいでストレス溜まってるもんね。
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作者名：みゆ | 作成日時：2022年5月18日 19時
