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『いやぁ、それにしても社会的に死ぬ所だったよ。感謝が尽きないね君には。』
「ハハ!いいって!困ってる美人は助けろって父親の教訓だから。」
『いい教訓だ。是非とも会ってみたいね。』
「え、マジ?全然いいよ?てかさ、Aちゃんいくつ?若そうなのになんか大人っぽいよね。」
『んー?2000歳。』
「え?アハハ!何それウケる!スーパーおばあちゃんじゃん!それじゃあ何、歴史の偉人とかにも会ってる?伊達政宗とかさ!」
『あーうんうん。伊達君ね。懐かしいなぁ。彼小さい頃は凄く素直でね。大きくなったらAちゃんと結婚する!とか可愛い事言ってくれたのにさぁ…、どんな化学変化が起きてあんな野蛮な男になっちゃったんだろうね…。今でも不思議だよ。』
「ちょ、リアル!!Aちゃんマジ面白いんだけど!」
『喜んでくれて何よりだよ好青年君。』
「「「…。」」」
騒がしい会話が耳に入った、と言うか片方はウンザリするほど聞き覚えのある声だからと目線を向けてみれば。
日光に反射してキラキラと光る金色の髪を靡かせたAと、また知らない別の男が楽しそうに話しながら向かってきていた。
私は半ば無意識にポケットに手を入れ、数十分前にAから受け取った紙切れを握りつぶした。
…あ、これじゃ返せないな。
私は近くに設置されたゴミ箱にソレを捨てた。
まぁ持ってるだけでいいと言っていたし、気にすることは無いね。
私はそのままA達の方へ向かった。
後ろには席を立つ2つの気配。
私は笑みを貼り付けて、こちらに気付いたAと目線を合わせた。
あ、ちょっと驚いた様な顔してる。
それがどんな感情なのか、少しばかり気になるよ。
「A。初対面の方にあまり迷惑かけないでくれるかな。連れの私達が恥ずかしいから。」
口から出たのは、ぶっちゃけ大して思ってもない言葉。
けどしょうがないよね。Aだし。
「おせーんだよミジンコ。さっさと浜辺に戻るぞ。全然遊びたりねーよ。」
「ビーチバレー用のボール持ってきた。奇数じゃ出来ないんだから早く来い。A。」
それぞれの文句に、目をぱちくりとさせたA。
そして、初めて見るフワリとした笑顔。
不本意だけど、少しだけ、ほんの少しだけ。
見惚れた。
…そんな顔も、出来るんだ。
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羽多野(プロフ) - はじめまして楽しく見させて頂いております!見てて違和感の所があったので書かせて頂きますが、自分自身さしすと同世代なのでこの時代の事を言わせて頂くと当時LINEはまだありませんので5-5で書いてあるLINEのIDはメアドの方がよろしいかと思います (12月26日 12時) (レス) id: 15e19fc224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2022年4月20日 19時