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File.414 ページ36

Aside

前世の頃、どんな話か気になって見てみると原作では見られないシーンがあったから凄く面白かったと言う印象が残っている
新一君と蘭ちゃんの仲の良さも見られて私は満足だけど
まあ、その肝心な新一君はと言うとミステリー小説を夜中まで読んでまだ熟睡中って所かしら?
熟睡中だとインターホンの音や宅配便が来たですら気づかない事だってあるし

「新一君、まだ寝てるのか?」

「あの工藤君の事だから夜中までミステリー小説を読むのに夢中で就寝時間がいつもより遅かったって所でしょうね」

インターホンを鳴らしても全く応答しない事に真純は首をかしげながらそう言うと志保は小さい頃から新一君達と一緒にいる事もあってめちゃくちゃ詳しい
志保は家に帰ると必ず医学書を読むとお父さんとお母さんから聞いている
医学の知識はお父さんやお母さんほどではないが、そこら辺の人間よりは詳しいだろう

『あっ、そうだ!蘭ちゃんに渡したいものがあるの』

「えっ?何ですか?」

可愛らしいラッピングが入った紙袋を蘭ちゃんに渡した
蘭ちゃんは不思議そうな顔でラッピングを開け、中身を確認すると...

「これって...」

中身を見て驚きを隠せない表情になっていた
そりゃそうだ、中身は新しい携帯だからね
蘭ちゃんは新しい携帯を見た後、私の方を見てくる

『蘭ちゃんの新しい携帯買ったのは小五郎さんよ。でも渡すのが恥ずかしいからって私が代わりに持ってきたの(微笑』

「えっ?お父さんが...?」

私は蘭ちゃんに向けて優しく微笑むと蘭ちゃんは新しい携帯を買ったのは父親である小五郎さんだと聞いて目を丸くしている
まあ、思わず目を丸くしてしまうのも無理もない話だからね
小五郎さんはいつも英理さんや蘭ちゃんに対してつっけんどんな態度を取っているけど、本当は家族思いの優しい人だと言う事はここにいる私達が知っている
刑事を辞めた後は探偵になったものの、とんでもない推理で犯人でもない人を犯人だと決めつけてしまう所は結構...いや、かなりあるけど自分が絡んだ事件になると麻酔銃なしで明確な推理をし、解決に導いてしまうほどの推理力を持っている事を知っているのは転生した私のみ
いつか新一君や蘭ちゃん、そして明美、志保、真純、萩原君達も知る事になるだろう

「......(ありがとう...お父さん(微笑)」

蘭ちゃんが無言のまま優しく微笑んでいる姿を見て私達は無言のまま微笑んだ
新しい携帯を蘭ちゃんに渡せてよかった

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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2021年3月31日 16時

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