File.876 ページ42
Aside
「まっ、そんな事もないけどね。君が撮った思い出の写真と比べればマシさ。写真は買い替えられないから」
「結局残ったのは例の一枚だけって事になっちゃったか...」
「例のって...?」
道脇さんと園子ちゃんのやり取りを無言のまま聞いていると園子ちゃんが残った写真は例の一枚と言っていた為、私は思わず目を丸くしてしまった
蘭ちゃんが例の一枚って何なのかと問いかけた途端、園子ちゃんは何故か私の方を見てくる
.........まさかとは思うけど私のあくびした姿とかじゃないでしょうね?(汗
「ほら、萩原刑事達に見せるあの写真。肌身離さず持ってるのよ。なのでAさん、安心して下さいね(ボソッ」
『なっ...!?まだ持ってたの!?園子ちゃん、あの子達に見せたりでもしたら怒るわよ?(ボソッ』
私達のやり取りを聞いていた新一君は何やら分かったと言わんばかりの表情になっている事に気づいた様子
フフッ...どうやら車ごと崖から落とした理由に気づいたみたいだ
何故なら道脇さんは園子ちゃんに殺人の証拠を撮られたと勘違いして今まで撮った写真を隠滅しようとあんな事したからね
警察署まで歩いていると後ろから歩いてくる音が聞こえてきた為、チラッと後ろを見ると京極君ではなく寺林さんがいた
「新一、後ろを見ろ(ボソッ」
「っ!あの男は...!(ボソッ」
私が気づいた後におば様も足音に気づいて小声で新一君に話すと新一君は驚いた様に見ていた時、道脇さんが後をつけられた事に気づいた様子
............どうやら尾行されている事に気づかれちゃったみたいね
そう思っていると道脇さんが突然、走り出してしまった為、私達は思わず驚いてしまった
『えっ!?ちょっと!』
「僕達も行くよ!」
新一君が走り出した為、私達も同じ様に走ると寺林さんは尾行に気づかれたと知りつつも後を追いかける
私達は園子ちゃん達を見失わない様に後を追いかけて行く
「こんな林に入ったらかえって危ないですよ!」
蘭ちゃんが林に入ったら危ないと注意するも道脇さんは危ない方がスリルがあると言いつつ園子ちゃんに問いかけると園子ちゃんも嬉しそうに頷いている為、私は無言のまま道脇さんを睨む
林に入った方が次の犯行をしやすいとでも思ったんでしょうね...
現に明美、志保、真純、おば様も私と同じ様に道脇さんを睨んでいるのが分かるもの
「とにかく二手に分かれてあの男を撒こう!」
道脇さんは園子ちゃんを連れて別の道に進み、私達は二人とは反対の方へ走る
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2022年2月23日 13時