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File.872 ページ37

Aside

そして刑事さんの手に持っている袋の中にはロック開けの道具が入っており、それを見た横溝さんは犯人はプロではないかと推測していた
まあ、残念ながら指紋は綺麗に拭き取られていたとの事

.........道脇さんは私達と一緒にいたと言うアリバイを作ったって訳ね
私達がアリバイ作りに利用された事でおば様は恨めしそうな表情で見ている事に気づいたが、あえて知らないフリをする
明美も志保も目を細めながら道脇さんに気づかれない様に睨んでいた

横溝さんは他に手がかりはないかと問いかけるも刑事さんによれば手がかりはない事と残っていたのは車の駐車してあった場所に車のクーラーから漏れ出た水が溜まっていたぐらいだと答えていた

「園子さん、車の周りをうろついていた不審人物を見かけませんでしたか?」

「さあ...昨日はあんまり眠れなかったので車の中じゃグッスリ寝てましたから。その代わり、この伊豆に来てから何故か私達の傍にたびたび出没する怪しい人ならそこに一人いますけど」

横溝さんの問いかけに園子ちゃんは昨日は眠れなかった事で車の中でグッスリ眠っていた事と伊豆に来てから私達の傍にたびたび出没する怪しい人ならいると答えた為、横溝さんは私達の後ろにいる京極君の元へ歩み寄る
.........まあ、確かに私達の傍にたびたび現れるんじゃ不審人物だと思われても無理はないわね(苦笑
現に志保も小声で「あの人...園子のストーカーかしら?」とボヤいていたほどだしね

「失礼ですが貴方は?」

「彼女達が泊まっている宿の者です。今日ここへ来たのは宿の方も昼間はあまり忙しくないので少し時間を貰ってお茶を飲みに来たんです」

横溝さんの問いかけに京極君は物静かな声で私達が泊まっている瓦屋旅館の従業員でここへ来たのは昼間は忙しくない為、少し時間を貰ってお茶を飲みに来たと答えている
......まあ、園子ちゃんを守ろうとずっと私達の後をつけていたみたいだし、ストーカー呼ばわりされるのを覚悟で動いている事だって後々に分かる事だろう
原作で初めてこの場面を見た時、何でこの人は園子ちゃんのストーカーをしているのだろうと思ってしまったほど

チラッと新一君の方を見るとアリバイのある道脇さんや京極君を見て犯人じゃないと思っている様子だ
真犯人は道脇さんなんだけどアリバイ作りにまんまと利用されてしまったから犯人じゃないと思うのも無理はないわね...

二人の様子をしばらく見ていた時、誰かに服の裾を引っ張られた事に気づいた

File.873→←File.871


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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2022年2月23日 13時

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