File.862 ページ27
Aside
「でも何で園子が...?」
「知らないわよ!この部屋の襖を開けたら、その男が私達の荷物を漁っていて、大声出そうと思ったら襲ってきたの」
園子ちゃんを強く抱きしめ、身体をさすっていると蘭ちゃんが何で園子ちゃんが襲われたのか疑問を浮かべていると園子ちゃんは涙目になりながらも状況を私達に話してくれた
やっぱり...園子ちゃんが撮った写真を探していたのね
自分の犯行現場を撮られたと思って...
私は真相を知っていた為、無言のまま目を細める
「その男、私達の荷物を漁ってたの?」
「えぇ。きっと下着泥よ。もう最低!」
明美が信じられないと言わんばかりの表情で園子ちゃんに問いかけると園子ちゃんは頷きながら涙目で最低だと叫びながら答えている
この子をこんな風に傷つけるなんて...絶対に許さないわ
園子ちゃんを襲った証拠を探し出し、必ず道脇さんを警察に突き出してやろうと強く決意した
あの男だけは...絶対に許さないと本気で思っているからね
「それで私達の荷物を漁っていた人はどんな人だったの?」
「園子君、その男の顔を見たんだろ?」
荷物を漁っていたと聞いて志保と真純がどんな人で男の顔を見たのかと問いかけるも園子ちゃんは部屋が暗く、怖くて足が竦んでいたからそんな余裕はないと声を震わせながら答えていたが、蘭ちゃんはどうして男だと分かったのかと再び問いかけると園子ちゃんは震えが止まったのか私から離れ、強気な口調で揉み合っている時に男の毛深い二の腕に噛み付いたと答えた為、私以外のみんなは驚いていた
蘭ちゃんは「やるじゃない園子...(苦笑」と苦笑いを浮かべている
まあ、そこは二の腕じゃないんだけどね...(苦笑
心の中でそう思っていると部屋が明るくなり、電気のスイッチがある所を見てみると、そこにいたのは雨でびしょ濡れになっている道脇さんだった
「どうしたんだい?部屋に明かりもつけないで」
「道脇さん!」
「何でずぶ濡れなんだ?」
何故ずぶ濡れになっているのかと真純が疑問をぶつけると道脇さんに話によれば車が走っている途中でエンストを起こしてしまい、急いで走ってきたらしい
まあ、遅れてしまった事を私達に謝っていたけどね
「ねぇ、どうしてこの部屋だと分かったの?」
志保が道脇さんにどうしてこの部屋だと分かったのかと疑問をぶつければ玄関先に私達がいない事に気づき、旅館の人に聞いたのだと道脇さんは言う
.........半分は本当の事だけどもう半分は嘘である事に間違いはないわね
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2022年2月23日 13時