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File.617 ページ46

Aside

しばらく考えていると連続放火事件のニュースを新一君は見ていたが、小五郎さんがテレビを消したみたいだ

「もういいだろう。気が散る」

「は〜い(そう言えば、あの放火された黒川邸の建物も森谷教授の設計だったな)」

小五郎さんにそう言われた新一君は素直に従っている
まあ、それで引き下がる様な子じゃない事は私達が既に知っているけどね
新一君とおば様が疑われない様にするのが私達の役目でもあるわ

『そう言えば...連続放火事件の被害に遭った家は全て森谷さんの設計じゃないかしら?』

「えっ?」

『詳しく調べてみたら、いつ頃に設計されたか分かるはずよ』

「確かにそうですね...調べてみます!」

連続放火事件の被害に遭った家は全て森谷さんの設計じゃないかと呟いた途端、白鳥君は驚いている様子だったが、私は気にせずに詳しく調べてみたら分かるはずだとさり気なく助言すれば白鳥君は納得し、調べると言って病室を出て行った
あの白鳥君の事だから、すぐに詳しく調べ上げる事は間違いないでしょうね...

本来なら新一君が言う台詞だったはずだけど疑われない様に私が代わりに話した
時系列もバラバラだし、原作も映画もその通りに進んで行っていない事から同じ様に進んで行くとは限らないからね
みんなで白鳥君の事を待っていると病室のドアの開ける音が聞こえた為、白鳥君が戻って来たのだと分かった

「白鳥、どうだ?」

「はい。宮野さんの言う通り、黒川邸をはじめ水島邸・安田邸・阿久津邸と放火された邸宅は全て森谷教授が30代前半の頃に設計したものでした」

小五郎さんが問いかけると白鳥君は連続放火事件の被害に遭った家は全て森谷教授が30代前半の頃に設計したものだと答えた
やっぱり...若い頃の作品の一部をこの世から抹殺しようとしたのね
抹殺しようとした理由は4軒は自分好みの建物じゃないから......何とも身勝手極まりない動機だ

「う〜む...」

「これは偶然とは思えませんな」

白鳥君から渡された紙を見て目暮警部は深く考え込んでいると小五郎さんは偶然とは思えないと言っているのが聞こえた
まあ、偶然と片付けるにはまだ早いからね

「ひょっとして環状線の爆弾も本当の狙いはあの橋だったりして」

「あの橋ぃ〜?」

「あり得るな。ホシは連続放火事件のホシと同一で森谷教授の設計したものを狙って...」

新一君がさり気なくヒントを出すと小五郎さんは怪訝そうな表情になるが、目暮警部は顎に手を添えながらあり得ると言っている

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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2021年7月31日 15時

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