【名探偵コナン】宮野家長女PART11 (ページ28)

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Aside

「Aさんの所為じゃありません。もしAさんの様な刑事さんが12年前にもいたら違ったのかも知れないな...それに...父が残した告白分が残ってたなら俺がこんな事をする必要はなかったかもな...」

成実さんは私の方を見ながら静かに首を横に振りつつ、新一君の方を見ながら静かにこう言っていた
やっぱり...成実さんは麻生さんの事件の事を自分で調べて知ってたのね...

「えっ？これ読んでなかったの？じゃ、どうやってお父さんの事を...」

「自分で調べたんだ...俺は父があんな事をしたなんて信じられなかったんだ。母と妹のヨウコを殺して自殺したと聞いて前々から家族の死に不審を感じ、医大を出た後はその真相を探る為にこの島に来たんだ。麻生圭二の息子だとバレない様に女医師としてな！医師免許には名前の読み方が書いてないから誰も疑わなかったよ」

新一君の疑問に成実さんは父親の麻生さん達の事を思い浮かべたのか悲しそうな表情で語った後、女医師として来た事に対しては明るい表情をしながら教えてくれた
......成実さんはこの事件の真犯人でもあるけど、12年前の時は被害者だもんね

「俺が父の死の経緯を知ったのは前村長の亀山にこの部屋で呼び出された時だよ。あいつは俺が麻生圭二の息子だと分かると急に怯えてペラペラ喋り出したんだ。麻薬の事...暗号の事...そして父を殺した事。全てを話し終えると突然苦しみ出し、心臓麻痺でポックリ逝っちまった...その時だよ。今回の殺人を思いついたのは。奴の遺体の傍で葬送曲として父の好きだった月光を弾いている時にな...ゴホッ...ゴホッ...」

成実さんは麻生さんの死を知った経緯は前村長の亀山さんから色々と聞いたらしく、彼が心臓麻痺で亡くなった後に今回の殺人を思いついた事を話した途端、煙を吸ってしまったのか咳き込んでいた
まずいわね...さっきより炎が燃え広がっているわ！
ここを出ないと私達まで死んでしまう！

「とにかく早くここを出よう！セイジさん！今ならまだ間に合う」

「もう遅いよ...俺の手はあの四人と一緒で既に血みどろなんだよ...とにかく...君達だけでもここから逃げるんだ...ゴホッ...ゴホッ」

新一君は麻生さんの楽譜を持ったまま成実さんの手を取るが成実さんは静かに首を横に振りながら手を払い、私達にここから逃げる様に言ってきた
そんなの...自分の罪から逃げてるだけじゃない！

『貴方は自分の罪から逃げるんですか？』