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Aside
おば様の言う通り、彼等は板倉さんにあるソフトウェアを作らせた後、用済みとして始末するのが目に見えている
彼等が始末しようとしていた人間は板倉さんだけじゃなく南洋大学教授の広田 正巳さんも組織の抹殺対象だ
広田さんが抹殺対象にされる理由は組織の重要データ入りフロッピーディスク(FD)の中身を見た可能性があるとの事
また組織の工作員の岡倉さんは自分が彼等に消されない様に保険としてお守り袋に組織の重要情報(NOCリスト)が収められたメモリーカードを入れていたみたいだけど、その事実を把握した組織に近々殺害される予定だったしね
「利用するだけ利用して役目を終えたら切り捨てるなんて...酷いわ」
「あぁ、自分達が嫌々ながら悪い人達に貢献してきたのにも関わらず用済みとして始末されるからな」
「彼等が一番恐れているのは情報漏洩ね。構成員や関わった人達の中に組織の大きさやそのやり方に恐れ、警察や海外の諜報員に話してしまう人もいるもの」
明美、真純、志保が黒の組織のやり方について口々に言っているのが明らかだった
私も彼等が自分達で勧誘してきたのにも関わらず役目を終えたら切り捨てると言うやり方に強い憤慨を覚えたほど
「お前達がそう思うのも無理はない話だ。奴等は組織に関係する重要データや重要情報を持ち去られたと聞けば血相を変えて探し出し、持ち去った人間を始末するからな」
『自分達のやり方を世に知られたくないって訳ね...』
おば様の言葉に私は黒の組織は自分達のやり方を世に知られたくないのだろうと考える
彼等が関わった殺人事件などは全て未解決だし、中には自 殺に見せかけて殺害すると言うケースもあるからね
その後、お父さんとお母さんが戻ってきておば様が今までの事を全て話しており、お母さんは私に「貴女が無事でよかった...」と言って優しく抱きしめてきた
「A、お義姉さんや工藤君の為に頑張るのはいい事だけどあまり無理はせずにやるんだよ?」
『うん、お母さんも心配かけてごめんなさい』
「いいのよ。貴女が無事ならそれでいいわ」
あっ、そう言えば中島 秀明の件はどうなってるのかしら?
ちょっとおば様に聞いてみましょ
お父さんとお母さんは私達から離れた後、近くのイスに座っている
『おば様、中島 秀明を保護する事はできた?』
「あぁ、ちゃんと保護してあるから安心しろ」
よかったわ...無事に保護する事ができて...
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2021年5月23日 16時