request.30 ページ30
ーA sideー
深山先生が無事なことを盛大に喜ぶ暇はなく、あっという間に裁判当日になった。
佐「緊張してないか？」
A「ちょっとはしてますけど、大丈夫です」
佐「よし。行くぞ」
元々深山先生が主任として立つ予定だったのが、急遽私に変わったので実は凄く緊張している。
これまで自分が担当したことは何度かあるものの、急に「やれ」と言われたらそう簡単ではない。
私が主任の時、いつも深山先生は後ろにいたな…。
裁判は順調だった。
最初、二宮さんの顔が浮かなかったのが徐々に顔色が良くなったし、相葉くんの証言が結構効いていて、手応えはある。
このまま終わる。
A「弁護人からは以上です」
そう思って終わらせた直後、検察側、今回でいう翔くんが動いた。
櫻「裁判長。実は鑑定から、被害者二人の死亡推定時刻にニ時間の誤差があることが判明しました。よって事件発生時刻を現事件発生時刻の二時間前まで広げる、訴因変更を請求いたします」
予想外の翔くんの言葉。
「異議あり」と言う間もなく裁判長が受理してしまった。
A「ちょ、ちょっと待ってください」
佐「裁判長！」
私と佐田先生で食ってかかるが、「裁判所は問題ないと判断しました」の一点張りだった。
二宮さんが、俯いて静かに泣くのを堪えているような様子が見えた。
深「…あ、お疲れ」
面会時間ギリギリ、滑り込みで深山先生の病室に来た。
A「深山先生…ッ……負けちゃいそうだよ……」
ベッドの背を上げて起きていた深山先生に、勢いよく抱きついた。
深「えっ、あっ…何があったの…」
A「うう…」
深「どうしたのさ…」
突然抱きつかれて戸惑っているけど、二日連続で泣きじゃくる私に嫌な顔はせず、深山先生はずっと背中を撫でてくれた。
面会時間終了までの数分がとても長く感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
深榎向上委員会(はるか)(プロフ) - ぴーちゃんさん» ありがとうございます！私も深山先生大好きでこれ書いてますので！もう少しで完結の予定なんですが、精一杯書かせていただきます…！！！！！ (2021年2月13日 20時) (
レス) id: 09a4a6dc9b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーちゃん(プロフ) - コメント失礼します！私も深山先生大好きです！応援してます！更新頑張ってください！ (2021年2月13日 16時) (レス) id: af374e4c11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか | 作成日時：2020年7月17日 13時
