11.案外 ページ13
｢何があろうと、子供を心配しない親はいないよ。一応話はするべきだろうしな｣
｢……なら、イレイザーヘッドに任せるよ｣
譲る気がなさそうなイレイザーヘッドにこちらが折れれば、何故か不服そうな顔で俺を見た
｢さっき教えただろ｣
｢何を？｣
｢イレイザーヘッドはヒーロー名。これからは家族だろ｣
要するに本来の名前で呼べってか
ん〜、昔も合わせるとタメか俺の方が上なのになんて呼べばいいんだよ
｢そんなに考えなくてもいいよ。好きに呼べばいい｣
｢なら消太って呼ぶ。流石にこの見た目で相澤って呼んだら色々拙いだろ｣
｢それもそうだな。そろそろ婆さんも来るし、怪我の治療が終われば帰るぞ｣
｢婆さん？｣
消太がうっすら口を開いた瞬間に病室にノック音が響いた
俺より先にどうぞと言った消太の声でカラカラと扉が開き、その先にいたのは背の低い優しそうな婆さんだった
｢おや、もう起きてたのかい｣
｢思ってたより体力はありそうなので今日で退院させるつもりですけど、大丈夫ですか｣
｢見た感じ大丈夫そうさね｣
俺を放って話し始める2人に戸惑う
消太を見れば、この人はリカバリーガールだと言われたが、治療してくれる人ってこの人のことか？
｢……初めまして、中原中也です。よろしくお願いします｣
｢初めまして。年齢の割に随分と礼儀正しい子だね｣
挨拶もそこそこに治療されたが、まあ疲れた
動けないほどじゃあないがかなり身体が怠い
｢見かけによらず体力があるようだね。このレベルの怪我を治癒しても動けるのかい｣
｢極力動きたくはないですけどね｣
｢いい子だね。ペッツお食べ｣
親切にも口元に持ってきてくれたので礼を述べてから口を開けた
そのまま髪を梳かすように撫でられたが、思ったよりも絶妙な力加減で段々と眠くなってくる
あ〜、ねみぃ…
｢おや、寝ちまったようだね｣
｢……それじゃあ、帰ります。わざわざ来てもらってありがとうございました｣
｢構わないよ。よろしく伝えておくれ｣
｢分かりました｣
すとんと眠りに落ちた中也に気づいたリカバリーガールが撫でる手を止め、顔を覗き込む
相澤も暫く見ていたが見るのもそこそこに中也を抱え上げ、リカバリーガールに頭を下げてお礼を言ってから病室を出ていった
｢なんだい、イレイザーヘッドが父親なんて不安だったけれど案外似合うねえ｣
病室に一人、リカバリーガールの声が響いた
続く (更新停止中)
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クロノト(プロフ) - 夢主男の子？女の子？ (2022年9月10日 10時) (
レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - 面白いです！この話気に入っているのですが、もう更新されないのでしょうか？迷惑だったらすみません。 (2020年7月15日 11時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - チョコ味の白兎さん» コメントありがとうございます。返信が大変遅れてしまいました。すみません。自己満足の小説ですが、好みと言っていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします^^* (2019年9月21日 12時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます。返信が大変遅れましてすみません。応援ありがとうございます。嬉しいです。これからもよろしくお願いします^^* (2019年9月21日 12時) (レス) id: d3ef9add41 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ムゥクさんさん» コメントありがとうございます。そうですね、題名にもある通り少女なので中也は口調はそのままで女の子になってます。これからの展開を考えてわざと文章には明記していませんでしたが混乱させてしまい申し訳ありません…これからもよろしくお願いしますね^^* (2019年3月29日 8時) (レス) id: 768cad872d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2019年3月6日 16時
